ヤクルトD2位・モイセエフ、長距離走もすごい! 苦手1000メートルも「根性」で2本トップ
持ち前のド根性があふれ出た。ヤクルトのドラフト2位、モイセエフ・ニキータ外野手(18)=愛知・豊川高=が9日、埼玉・戸田球場での新人合同自主トレ2日目に参加。隣接する陸上トラックで行われた1000メートルのインターバル走では、3本中2本でトップだった。 【写真】家族5人とポーズをとる豊川高のモイセエフ・ニキータ外野手 「きつかったっす。『負けたくない』という気持ちが強くて頑張った。根性です」 将来の主軸候補は長距離走は「苦手」というが、勝負となれば負けられない。端正なマスクをゆがめてなりふり構わず腕を振り、ライバルを退けた。7年前、ルーキー時代の村上は、200メートル10本のインターバル走で先頭を切って走り「『負けたくない』という気持ちだけで走った」と発言していた。後継者として期待されるスラッガーが、くしくも同様のせりふを口にし、負けん気の強さを発揮。最速は1本目の3分40秒で、憧れの背番号55と同じパワーヒッターながら、先輩のように体力があることも見せつけた。 モイセエフは4歳から小4まで空手に打ち込み、小学校3年生のときには東海王者に上りつめた実力者。38歳まで現役選手として空手を続けたロシア人の父・セルゲイさんは、競技時間が3分の空手は「3分間は痛くても怖くても、逃げずに前に進むしかない」と話す。ガッツを前面に出し、勝負にこだわるようになった原点には武道で身につけた精神がある。 「負けず嫌いなので、何でも負けたくない」とモイセエフ。息を切らしながら発する言葉は、気合に満ちていた。(武田千怜)