福島・白河厚生病院に「救急治療科」 県南地方初、25年1月6日新設
白河厚生総合病院(白河市)は来年1月6日、県南地方の医療機関では初めてとなる救急専門の診療科「救急治療科」を設置する。常勤専任医3人を配置し、救急搬送された患者を受け入れ、初期治療による容体の安定化と救命率の向上を目指す。 同病院はこれまで、内科系疾患を治療している総合診療科が救急搬送された患者を対応してきた。しかし交通事故によるけがや熱傷など外科系疾患は専門外で、白河市外の医療機関に搬送されるケースがあった。 救急治療科は、外科系疾患で救急搬送された患者の初期治療に当たる。内科系疾患は従来通り総合診療科が担当し、二つの科が連携して治療の経過に応じて専門科に引き継ぐ。院内での対応が難しい重篤な患者については、24時間態勢で受け入れている「3次救急医療機関」に搬送する。 救急治療科の設置をけん引してきた安田貢医師と、福島医大から派遣される医師2人が対応する。安田氏は「今まで対応しきれなかった患者を受け入れ、治療が可能となる環境を整備していく。県南地域に適した救急医療の形を模索したい」と話した。 また同病院は、白河地方消防本部などと連携し、救急車に医師らが同乗する「ドクターカー」の実証を進めている。搬送先の医療機関が遠い場合、搬送中に治療を施すことで、救命率の向上や治療後の予後が期待されるとしている。
福島民友新聞