姉が他界、9歳だった…生前に病室へ入れなかった弟、励まそうと「頑張れ」の言葉を録音 泣いて喜んだ姉、天国へ 弟は今14歳「姉に届け」と音楽ライブ開催、さらに大勢の人を励まそうと“募金リレー”を始めた
夏休みに埼玉県寄居町立寄居中学校の3年生、中村清治さん(14)が、能登半島地震の復旧復興支援と人の輪を広げていくチャリティーライブを町内4カ所で行った。高校受験を控え、現在は活動を中止にしているが、義援金箱が町内をリレーしている。 亡き弟、3歳で白血病に 小5の姉、さいたまで友人と募金活動「闘病の子、一人でも多く家族と過ごして」
清治さんには3歳違いの姉で脳性まひの美結さんがいたが、2016年2月に他界(享年9歳)。清治さんは就学前で、病室にも入れず、「ネネ、頑張れ」と励ます言葉を録音して美結さんに届けた。美結さんも涙して喜んだ。父寿さん(45)の影響で音楽を始めた清治さん。「お姉ちゃんに届くかな」と歌い続けてきた。 清治さんは中学生シンガー「清春」としても活躍する。年明けに発生した能登半島地震を支援するチャリティーライブを2月と3月に開いた。その活動が町社会福祉協議会に伝わり、社協が7月27日に主催した体験教室で歌うことになった。 それを機に8月25日までに福祉施設や子ども食堂などで計4回のライブを行った。「自分の声で誰かが笑顔になって、幸せになってほしい」と願いを込めて歌うと、計4万6018円の義援金が集まり、送金した。 義援金箱は、清治さんの活動を応援する町内の飲食店や小売店などをリレーする。各店舗の設置期間は1~2週間。9月2日までは同町立原のコンビニエンスストア「せいこうえん」、同月3日からは同町末野の「とんかつ茶の間」に置かれる。
「能登半島地震の復旧復興は進んでいない」と心配する清治さん。「少しでも元気になってもらいたい」と練習に力を入れながら、能登半島の復旧復興への後押しを誓う。