新人合同自主トレで無理は禁物、2月1日に間に合わせればいいだけ。今岡がコーチ入閣。彼の独創性は必ずチームにいい効果をもたらす【岡田彰布のそらそうよ】
思い出したよ、43年前を
現役時代には首位打者に打点王を獲得し、独特の感性の打撃が特長的だった。読みもうまいし、その辺りの経験をコーチとして生かしてくれると、期待しているよ[写真=BBM]
65歳になったから、もう43年も前になる。1980年1月10日……。この日がタイガースでのスタートとなった。そう、甲子園で行われた新人合同トレーニング。でも、このシーズンは特殊な形態で開かれた。阪神はアメリカ・アリゾナ州での春のキャンプが決まっていた。だから特例で選手全員参加の自主トレになった。 あの時代、ポストシーズン(今のオフ)の定義がまだまだ曖昧で、全員がそろっても、違和感はなかった。テレビで見て、スタンドで応援していた選手の顔があった。これで阪神の一員になったのか……と感激していたら、突然、みんなが走り出した。 当時のトレーニングコーチが中川(中川卓爾)さんという人で、もともと陸上の選手。バリバリのアスリートで走ることが大好き。その中川さんの号令でスタートした。走る、走る、走る。終わりのないランニングは甲子園のグラウンド30周。いきなりこれか! 強烈に印象に残っている。 最年長は竹之内(竹之内雅史)さんやったと思う。江本(江本孟紀)さんや小林(小林繁)さん、掛布(掛布雅之)さんも参加していたが、新人はみんなにあいさつしなければならない。ところがルーキーのひとりが先輩に洗礼を浴びた。「声が小さい!」。これが原因で殴られていた。今なら大問題になっていたやろな。パワハラやってね。でも当時は、それが当たり前の風潮。縦社会は厳しい。プロ球界もそんな時代やったし、とがめられることはなかった。 そういえば・・・
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週刊ベースボール