派閥裏金問題で大荒れの自民党 “泥船”岸田政権の次を担う「ポスト岸田」は誰?
■“人気”を誇る河野デジタル相
国民的人気を誇り、歯に衣着せぬ発言や発信力で常に話題となる河野太郎氏も“ポスト岸田”の1人。これまで外相や防衛相などを務め、現在はデジタル相としてマイナンバーカードをめぐる一連の問題で陣頭指揮を執るなど、常に注目されているのが河野氏の強みだ。 前回の総裁選で岸田首相に敗れて以降、“仲間作り”にも力を入れている。毎週火曜日に勉強会を開催、政治家との会食も積極的に行っているという。さらに河野氏は、国民的人気が高い石破元幹事長、小泉元環境相とも近く3人の名前の頭文字を取った“小石河連合”の発信力は強力だ。 ただ実際に河野氏の“仲間作り”が結実してもポスト岸田に名乗りをあげるためには河野氏が所属する麻生派の麻生副総裁の意向が大きく関係してくる。麻生副総裁は「岸田政権を支える」というスタンスで、岸田首相が次の総裁選に出る場合は、河野氏の出馬を後押しする可能性は低い。 河野氏が“ポスト岸田”に近づくためには、派閥の領袖である麻生氏からの支持を得られるかが最大のポイントとなる。
■世論調査“ナンバー1”の石破茂元幹事長
NNNと読売新聞が23年12月に行った世論調査で、ポスト岸田として20%という最も高い支持を集めたのが石破茂元幹事長だ。各社の世論調査でも人気が高い。安倍晋三元首相と一騎打ちでの総裁選を戦うなど、自民党内でも非主流派の顔として脚光を浴び続けていることから政府関係者からは「自民党が変わったと思われるためには石破氏しかいない」との声も出ている。 ただ、石破氏は裏金問題の発覚後、テレビ番組で岸田首相の責任の取り方について「予算が成立したら辞めますというのはあり」と、総辞職を迫るような発言をおこなった。こうした岸田政権を後ろから撃つような言動には、かつての石破派に所属した議員からも「いくら国民的な人気があっても党内に仲間がいない」「溺れかかっている人物を上から突いているようだ」など冷ややかな声が上がっている。 発信力は抜群の石破氏だが、党内に仲間を作るという長年の課題が重くのしかかっている。