日本代表は“課題が残る”4得点大勝。改めて浮き彫りとなった弱点、アジアカップの再現もあり得た?【西部の目】
15日、サッカー日本代表は2026年FIFAワールドカップ(W杯)・アジア最終予選の第5戦目インドネシア代表戦を迎え、4得点を奪い大勝した。一方では、ロングボールから相手にチャンスを作られる場面も見られ、勝負が決していた後半は特に思うようなプレーができず、不完全燃焼に終わった感が否めない試合となった。(文:西部謙司) 【最新順位表】2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選
●遠藤、守田+鎌田の関係性
大粒の雨が容赦なく降り注ぐ中のキックオフ。慎重にならざるをえない日本代表に対して、正確なロングボールを落として前線を走らせるインドネシア代表。9分には裏へ抜け出されてGK鈴木彩艶と1対1になるが、鈴木がシュートをストップした。 その後も裏へ落としてくるロングボールは脅威だったが、日本代表は守田英正と鎌田大地の連係で試合をコントロールしていく。 5-4-1の守備ブロックに対し、相手MFの4人のラインの手前に鎌田が下りて守田と近い関係を作る。遠藤航も加わって面前でボールを動かし、鎌田か守田がライン裏の中間ポジションへ入り込む。 バーレーン代表戦もそうだったが、主導権を握るための戦略を即興的に生み出せる守田、鎌田の連係がリズムを変えていた。 35分、遠藤の一拍置いたパスから町田浩樹がボックス内の守田へ縦パスを差し込む。守田へボールが到達する前に鎌田が側面を走り抜け、守田のバックヒールのパスを受けた鎌田はDFを1人かわしてラストパス。 小川航基が押し込む前にインドネシア代表DFが辛うじてボールに触ったがそのままオウンゴールとなって先制する。
●前後半で変化が見えたウイングバックの動き
40分には鎌田のパスで左サイドを抜け出した三笘薫が得意のアウトサイドのパスをボックス内へ送ると、南野拓実がトップスピードの走り込みから左足で合わせてニアポストを抜き2-0。 三笘のパスは小川へ向かっていたが、その前に走り込んだ南野のセンスと抑えの効いたシュートはさすがの決定力だった。 前半の日本代表はボール支配率75%、シュートは5本。しかしインドネシア代表も4本のシュートを放っていて、主導権を握りつつもそこまで楽な展開ではなかった。 後半から左ウイングバックに前田大然が入る。三笘は左シャドーへ移動。鎌田は右シャドーへ。南野が退いた。 前半はウイングバックが引き気味に構えていたが、後半からは縦にポジションを移動させながら前からプレスする姿勢をみせる。 これに気圧されたようにインドネシア代表はGKがペナルティーエリア外にプレスに来ていた守田へミスパス。守田は1人を冷静に外してミドルシュートを決めた。 3点目をとったことで日本代表の勝利は確定的になったのだが、そこからの内容はあまり良くない。