韓国・李在明氏が襲撃されたことで「共に民主党」の支持率が上がる可能性も
ジャーナリストの佐々木俊尚が1月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。韓国最大野党「共に民主党」の李在明代表が刃物で襲撃された事件について解説した。
韓国最大野党代表・李在明氏、刃物で襲撃され病院に搬送
1月2日午前、韓国最大野党「共に民主党」の李在明代表が訪問先の南部・釜山で報道陣に対応中、刃物を持った60代の男に襲撃され、病院に搬送された。聯合ニュースによると、李在明氏は釜山大病院で応急治療を受け、ヘリコプターでソウル大病院に搬送。内頸静脈の損傷が確認され、約2時間にわたって手術を受け、現在は回復中。 飯田)サインを求める支持者を装って接近し、20~30cmの刃物で犯行に及んだということです。 佐々木)日本でも安倍さんの暗殺、そして岸田さんの暗殺未遂など政治家・要人へのテロが相次いだので、嫌な感じですよね。日本の事件に影響された可能性もあるかも知れません。 飯田)今年(2024年)は韓国も総選挙を間近に控えていますが。 佐々木)日韓関係や韓国世論にどんな影響があるのか気になります。「共に民主党」は去年(2023年)の大統領選では激しく戦いましたが、李在明氏は「韓国のトランプ」と言われていて、ポピュリズム寄りの人です。対日政策も、現政権は親日的で「日本と共に安全保障を確立しましょう」という感じですが、日本寄りになっていることに批判的で、「屈従外交だ」などと言っています。 飯田)屈辱的な従属、「屈従」。 佐々木)怪我されていて申し訳ないけれど、これで「共に民主党」の支持率が上がってしまうと、それはそれで日本としては困るところもあり、難しい微妙な話ではあります。 飯田)尹錫悦大統領は報道官を通じて、「いかなる場合にもこうした暴力行為は許されない」と表明しています。
テロリストを物語化したがるメディア
佐々木)テロが世論を動かしてはいけないのだけれど、日本の場合は安倍元総理の暗殺事件もそうでしたが、メディアが世論を動かしてしまったところがあり、禍根を残したと思います。韓国でも同じように、これで世論が動くような方向になって欲しくありませんね。 飯田)マーガレット・サッチャーなども言っていましたが、テロや暴力行為を報じる、あるいはそれに味をつけて報じることによって、テロは完成してしまう。 佐々木)安倍元総理の事件もそうでしたが、テロリストを過剰に物語化することで、その記事を読んで英雄視する人が現れてしまう。ニュージーランドのアーダーン首相は、「テロリストの名前を今後一切口にしない」と言っています。 飯田)ニュージーランドのクライストチャーチで銃撃事件があったときですね。 佐々木)物語化しないことは大原則だと思うのですが、メディアは過剰に物語化したがる。それが1つの病弊としてあると思います。