大本山永平寺の門前に商業施設「Hikari Terrace」オープン 工芸品ショップとカフェ入居、にぎわい期待
曹洞宗大本山永平寺の旧参道沿いに商業施設「Hikari Terrace 輝坊(きぼう)」が10月2日オープン。工芸品とカフェの福井県外ショップ2店舗が入り、門前一帯の新たなにぎわい拠点として期待される。1日は福井県永平寺町志比の現地で落成式があり、関係者が完成を祝った。 【写真】「Hikari Terrace 輝坊」施設の内部 景観や施設の整備などで地域活性化につなげようという福井県、永平寺町、大本山永平寺による「門前再構築プロジェクト」の一環。同プロジェクトではこれまでに旧参道を石畳に整備し、河川の護岸を石積みに改修した。永平寺が開業した宿泊施設「柏樹関(はくじゅかん)」は座禅体験ができ、精進料理も味わえ、禅に親しめる宿として国内外の観光客が利用している。 輝坊は、永平寺などが出資する輝峰(永平寺町志比)が民家の跡地に整備。木造平屋建て、延べ床面積約250平方メートル。総事業費は1億8495万円で町企業版ふるさと納税などを活用した。北陸新幹線県内開業に合わせてオープンする予定だったが、建設資材や人件費の高騰で、当初の2階建ての設計を見直した。 施設には、永平寺の仏具修理を請け負う鋳物製造販売の「能作」(富山県高岡市)が県内初出店し、スズの食器など約200点を販売。永平寺オリジナル商品も用意する。カフェやセレクトショップを展開する「晴雪(せいせつ)」(群馬県みなかみ町)は、ランチやドリンクを提供するほか福井県内作家による工芸品の展示販売スペースも設けた。 式には大本山永平寺の小林昌道監院や輝峰の山下誠代表取締役、河合永充町長ら関係者約70人が出席。テープカットなどで完成を祝った。小林監院は「永平寺を訪れる方がこの施設で癒やされ、和まれるような場所になれば」とあいさつ。河合町長も「輝坊をはじめ門前地区の魅力を発信していきたい」と述べた。
福井新聞社