【EVの素朴な疑問】全固体電池というのは液体電池に比べてどこがどの程度優れているのですか?
航続距離は現在の2倍以上になりそう
ただし、各自動車メーカーが全固体電池開発に掲げる目標は以下のように明示されている。 トヨタは、航続距離のアップと、急速充電10分以下を目指すと説明している。航続距離は、現行「bZ4X」の搭載電池よりも2倍を目指す「パフォーマンス版」のさらに20%アップ、将来に向けては「パフォーマンス版」の50%アップとか。車両の改良も含むというが、現行EVの2.4倍から3倍になる計算だ。 そして日産は充電時間3分の1の短縮とエネルギー密度2倍を謳う。エネルギー密度が2倍であれば、やっぱり従来と同じ電池で2倍の距離が走れてしまう計算になる。つまり、目標とするのは、現在のバッテリーの2倍以上という性能だろう。 2028年の実用化といえば、これからまだ4年もの歳月があるが、どれだけ進化した次世代バッテリーが登場するのか、大いに期待したい。 ●著者プロフィール 鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。