<君と宇宙を歩くために>マンガ大賞2024大賞 作者・泥ノ田犬彦 高校時代の衝撃的な一言が誕生のきっかけに
マンガに精通する書店員らが「その年一番面白いと思ったマンガ」を選ぶ「マンガ大賞2024」(実行委員会主催)が4月2日に発表され、泥ノ田犬彦さんの「君と宇宙を歩くために」(講談社)が大賞に選ばれた。同日、ニッポン放送 イマジンスタジオ(東京都千代田区)で行われた授賞式に登場した泥ノ田さんは「去年の6月に第1話が公開されて、こんなに多くの方に読んでいただけるとは想像していなかった。その上、賞をいただけるなんて考えたこともなかったので、喜んでいいのか、複雑な気持ちでここに立たせていただいている」と語った。 【写真特集】マンガ大賞「君と宇宙を歩くために」 作者・泥ノ田犬彦とは? 犬のかぶり物で
「君と宇宙を歩くために」は、講談社のマンガサイト「&Sofa(アンドソファ)」で連載されているマンガ。勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林と、変わり者の転校生の宇野という“普通”ができない正反対の2人が、それぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する……という友情物語。「&Sofa」に2023年6月に第1話が掲載され、同年11月にコミックス第1巻が発売された。
泥ノ田さんは、コミティア(同人誌即売会)の会場で現在の担当編集と出会ったことをきっかけにプロのマンガ家を志すようになったという。「君と宇宙を歩くために」は、生きづらさを感じながら生活する二人の高校生の物語で、泥ノ田さんは「主人公の二人の間に大きな事件が起こるわけでもなく、すごく才能があって何かを解決していくような話でもないが、その二人が日常を歩いている話を自分が読みたいと思った」と制作の経緯を語った。
ヤンキーの小林のキャラクターについては、自身の経験も影響していると話し、「小林は一見派手に見えて、体も大きくて、『人生に困っている』とは思われないビジュアルにしようと思った。自分自身、学生時代に悩みがあったが、学校で誰かに『悩みがなさそうでいいね』と言われて衝撃を受け、それが大人になっても引っかかっていた。それをキャラに落とし込んだ」と明かした。