兵庫県知事選で市長22人の候補支持表明「公選法違反でない」 ネットで疑問相次ぐ中...県選管が取材に明言
2024年11月17日投開票の兵庫県知事選で、県内の市長22人が無所属の前尼崎市長、稲村和美氏(52)の支持を表明したことについて、県選管は15日、公職選挙法には抵触しないとの見解を取材に明らかにした。 【写真】パワハラ問題の経緯で非難の応酬も 市長らの表明について、X上では、その地位を利用した公選法違反行為ではないかとの声が一部で相次ぎ、一時トレンド入りしていた。 ■「市長らが地位を利用して選挙活動をしている」と騒ぎに 今回の知事選は、県議会の不信任を受けた斎藤元彦前知事(47)の失職によるもので、斎藤氏と稲村氏を含め計7人が立候補した。 選挙戦では、斎藤氏がパワハラ問題で県議会・百条委員会の証人尋問に呼ばれるまでの経緯を巡って、ネット上で様々な情報が飛び交った。真偽不明のものも多かったが、それらの情報を元に激しい非難の応酬が繰り広げられた。 候補者の街頭演説を阻害したり聴衆に暴力を振るったりする動画も拡散し、逮捕者が出るまでになっている。 こうした事態を受けて、県内の市長29人のうち22人が11月14日、市長経験があり各市の課題に精通しているなどとして、稲村氏を支持すると異例の表明を出した。地元紙では、「市長会の有志」と報じられた。 うち表明を呼びかけた小野市の蓬莱務市長ら7人がこの日に県庁で会見し、選挙でデマが飛び交っており、誤解を生んで県政の混乱が続いてはならないと訴えた。マスコミの世論調査では、稲村氏が優勢なものの斎藤氏が猛追しているともされ、正しい情報が伝わっていないと危機感を持ったようだ。 これに対し、斎藤氏の支持者らを中心に、市長らのこうした行為に疑問や批判が相次いでいる。市長らの支持表明について、「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」をうたった公選法の第136条の2に違反しているのではないかとの声も上がった。つまり、市長らが特別職公務員の地位を利用して選挙活動をしているといった指摘だ。