相次ぐ政治ブローカーの暴露、尹大統領夫妻が直接説明すべき【社説】
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人、キム・ゴンヒ夫人の選挙候補公認介入疑惑の重要人物であるミョン・テギュン氏の衝撃的な暴露が後を絶たない。ミョン氏は15日、「分別なく騒ぐオッパを許してください。無知だと、ああなるものです」、「私はミョン先生に完全に頼っている状況」というキム・ゴンヒ女史の2021年カカオトークのチャット内容を公開した。さらに、同日の夜には「CBS」のインタビューで、」「それ(チャットのスクリーンショット)が2千枚になる。最も重要なものだけでも200枚を超える」と主張した。ミョン氏は「女史とやり取りしたチャットは前菜にもならない。社会的波紋はその10倍、100倍を超えるだろう」と語った。 自身が逮捕されれば「大統領下野・弾劾」と豪語したミョン氏は大統領室を脅すような発言まで行っている。ミョン氏は、大統領室が自身とキム女史のカカオトークのチャットを「私的な会話」と説明したことに対し、「ならば、公的な電話、大統領とのやりとりを公開すれば良いだろう」と語った。公認や人事問題などを話し合った記録を持っていることを暗示する発言とみられる。また、大統領室はキム女史が言及した「オッパ」が尹錫悦大統領ではなく、実の兄を指すと説明したが、ミョン氏は「(誰のことなのか)思い出せない」と曖昧な態度を示した。 ミョン氏の暴露が政局を揺るがし、政権を危うくしているにもかかわらず、大統領室と与党の対応は無力極まりない。大統領室はミョン氏に「脅迫をやめ、事実通りにはっきりと言うべき」という警告すらしていない。大統領選候補を選ぶ選挙当時、ミョン氏が尹大統領に有利になるように独自の世論調査結果を操作したという疑惑にも、大統領室は沈黙を守っている。ミョン氏が言及した与党の政治家たちは「侮辱的」としながらも、誰一人としてミョン氏を告訴・告発していない。むしろミョン氏が大統領室の参謀と親尹錫悦派の政治家たちに向かって「大統領に聞いてから言え」と大口を叩いている。国民が「何かあるのかもしれない」と疑念を抱かざるを得ない状況だ。 ミョン氏の主張は今後真偽を明らかにしなければならないが、大統領室の釈然としない対応は疑惑を増幅させている。「尹大統領がミョン氏に会ったのは2021年7月初めの2回だけ」という大統領室の8日の釈明も、当事者らの反論で信憑性が崩れた。大統領室が縮こまるのは、尹大統領とキム女史、ミョン氏の間で起きた内密なことをその3人以外は正確に知ることができないためだろう。キム女史に対する問題提起がタブー視された大統領室の雰囲気も一因かもしれない。この目まぐるしい暴露と混沌を止めるために、尹大統領とキム女史がミョン氏との関係について国民の前で自ら説明し、責任を取ることがあるなら責任を取るべきだ。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )