MARCHはもう古い?難関私大の序列に変化… ラベリングは予備校の戦略か 「学習院を入れたのは合格者の総数を増やすため」
■大学のラベリングは予備校の戦略か?
また、山崎は「私は、ある先生の授業を受けるために慶大の環境情報学部に進学し、湘南藤沢キャンパスに通った。学校や学部によって特色があるのに、受験に失敗した場合、“GMARCHに入れなかった” “あの人は早慶レベルだ”といったレッテル貼りが起きてしまう。ラベリングがコンプレックスになる。学歴は重要ではない」と、自身の経験からラベリングに疑問を呈した。 これに八澤氏は「学習院を入れることで合格者の総数が増える。GMARCHにGが入ったのは予備校の戦略だろう。関関同立も関西の有名予備校が、名称を作り持ち上げることで選ばれるようになった」と言及。 「ウチは“難関私大専門塾マナビズム”という屋号だが、関西に出店するときは“関関同立専門塾マナビズム”と屋号を変えている。その括りがなくなった場合、ビジネスプランに影響する可能性もある」と述べた。 一方で「自分の学力でどの大学に進学すべきか考えたとき、どこが適切か、ラベリングされていないと選びにくい。子どもが選択しやすくなる」とメリットにも言及した。
■企業による“学歴フィルター”
東大卒のYouTuberあきぴで氏は、現役で国立大阪大学合格も、東大にこだわり1年浪人して東京大学法学部に進学・卒業。自身のチャンネル登録者数は35万人で「東大生あるある」「進学校あるある」の動画で人気を集めている。 あきぴで氏が東大を受けた理由は「サッカーや芸能界で競争するのと同じで、自分は受験で勝ちたかったから」と説明した。しかし東大での生活は「楽しくなかった。合格した時が一番興奮した。あとは惰性で過ごした」と明かした。 その後の進路については「元々、俳優を目指して劇団に入っていたが、挫折して辞めてからYouTubeを始め、今も続けている。高学歴を活かして就職することも考えたが、それ以上に劇団に興味があった」と当時を振り返った。 これを受けてジャーナリストの堀潤氏は「日本は欧米に比べて博士号取得者に対する評価が極めて低い。海外ではきちんと肩書きとして評価されるのに、日本では非常に安く買い叩かれている。高学歴を勝ち取った若い世代に“その先の未来はないだろう”と思わせてしまう日本社会もいけない」とした。「せっかく頑張って東大に入ったのに、“達成感”で終わってしまうのは勿体無い」と続けた。