ドル資金調達コストの低水準、流動性リスクを隠す-みずほトレーダー
(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の初期に見られたような規模のドル流動性枯渇が起こるリスクをスワップ市場が警告していると、みずほインターナショナルが指摘した。
みずほのクロスカレンシースワップ取引責任者、アンドラ・ベルセア氏は、米国外の銀行がオフショアでドルを調達する際の追加コストの指標であるクロスカレンシーベーシスに注目している。
ある通貨のキャッシュフローを別の通貨のキャッシュフローと交換する際のコストから算出されるこの指標は、ドル調達コストがパンデミックを受けて中央銀行が市場に緊急流動性を供給して以来の低水準に近づいていることを示している。
「リスク資産クラスは好調だ。しかし、市場はいつ音楽が鳴り止むのかと心配している」とベルセア氏は語った。
今月は一時、中東情勢がエスカレートする恐れからドル需要が増加した。1年前には、米国のシリコンバレー銀行破綻が今年よりもはるかに大きな需要を引き起こした。
米国の金利が高止まりしたままであれば、米国の銀行は海外にドルを貸し出す代わりに、財務省証券(TB)を購入したり、米連邦準備制度理事会(FRB)のリバースレポ(RRP)ファシリティーを利用したりして、より多くのドルを国内に振り向けるかもしれない。
米利下げ観測が後退したことで、ドルは今月、5カ月ぶりの高値をつけた。
原題:Mizuho Trader Says Cheap Dollar Funding Masks Liquidity Risks(抜粋)
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James Hirai