こども10人以上に性加害の男性「最初は罪の意識なく興奮」「視界に子ども入れない」5歳で性被害の女性 両親に一度も相談できず…優しく寄り添う夫「毎回…泣いちゃう。いいよって」【当事者の証言】
一方で…子どもへの性暴力を繰り返してきた男性
子どもへの性暴力を繰り返してきた男性が取材に応じました。東京都に住む加藤孝さん(61)です。 (加藤孝さん)「子どもと電車の中や道で遭遇すると、自分の興奮を高めてしまっていました。(Q最初に加害をしてしまったときは?)最初は罪の意識はありませんでした。興奮したのをよく覚えています。(Q悪いことではないと?)まずいけど、大したことではないと思っていました」 海水浴場で子どもの体を触ったり、家庭教師をしていたときには教え子に性暴力を行ったり、これまで10人以上の子どもに性加害をした過去があります。加藤さんはのちに、子どもを性の対象とする精神疾患「ペドフィリア」(小児性愛障害)と診断されました。 (加藤孝さん)「(具体的には)男児・女児両方で、妄想の対象にしてしまっています。一番自分が中心的にとらわれているのが思春期前の男児です」
加藤さんはかつてカッターナイフとロープ、そして粘着テープを持って下校中の児童のあとをつけることもありました。そして、30代のときに男子小学生に対する強制わいせつ未遂の罪で起訴されます。「このままでは子どもの命を奪いかねない」と感じ、交番に自首したのがきっかけでした。その後、懲役2年・保護観察付きの執行猶予4年の有罪判決を受けました。 (加藤孝さん)「被害経験者の方々の手記を読みながら、その人たちが本当に深く長く苦しんでいることを知って、もう二度と子どもを傷つけたくはない。加害しないための努力を始めようと深く決意できました」
外出時には『子どもを視界に入れない』というルール
加藤さんは逮捕されたあと、弁護士を通じてペドフィリアの治療のことを知りました。今は週1回、精神科に通院。性依存症の自助グループのミーティングにも参加しています。これまで20年以上、加害行為はしていません。 外出するときのルールも決めています。そのひとつが子どもを視界に入れないことです。性別にかかわらず、子どもを連想させるものも刺激になります。制服姿の女子生徒が電車に乗ってきたら、自ら席を移動します。駅のホームで子どもと出会ったら目を閉じます。 (加藤孝さん)「実際の行動に及んでしまう前に自分のメンテナンスをし続ける。手前手前でリスクを低減させる」 このインタビュー中、加藤さんは突然、目を閉じました。 (加藤孝さん)「…ということが効果を上げているし、その必要があると思います」 (記者)「さきほど目をつぶったのは?」 (加藤孝さん)「はっきりしなかったんですけど、未成年の方っぽい人が自分の視界に入ったので。実際にはどういう方ですか?」 (記者)「ブランコに乗っています。高校生くらいです」 (加藤孝さん)「ちょっと危険ですね」 私たちには当たり前の光景が罪を犯しかねないリスクになるのです。