東エレク、今期営業益6800億円へ AI関連好調で再び上方修正
Ritsuko Shimizu [東京 12日 ロイター] - 東京エレクトロンは12日、2025年3月期の連結営業利益見通しを6270億円から6800億円(前年比49.0%増)に引き上げた。今期2度目の上方修正となる。AI(人工知能)サーバーやAI搭載のスマートフォン、PCなどの需要が増加している。 売上高、営業利益、純利益は過去最高となる見通し。新たな営業利益計画は、IBESがまとめたアナリスト18人の予想の平均値6343億円を上回った。 年間配当も前回予想の1株519円から571円(前期実績393円)に引き上げた。発行済み株式の0.8%にあたる350万株・700億円を上限とする自社株買いも決めた。総還元額は、過去最高だった前期を約1100億円上回る水準となる。 売上高に占める中国の比率は、4―6月期の49%に対し、7―9月期は41%に低下。下期は30%台になるとみている。「規制関連のリスクも想定できる範囲で反映している。現時点で追加のリスクは考えていない」(川本弘常務)という。来期についても30%台をみている。 米国ではトランプ氏が次期大統領に就任するが「実際の政権が動き出して、どのような政策が打ち出されるか明確になっていない」として、事業への影響などへのコメントは控えるとした。 24年の半導体ウエハー製造装置市場は1000億ドル強という見通しを維持した。25年については、AI比率が40%程度まで上昇。DRAMのさらなる拡大に加え、NANDも在庫調整が進展し投資が再開されるとみており、2桁成長を期待しているという。 24年4―9月期の営業利益は前年同期比75.8%増の3139億円だった。