【英国】若手医師、総選挙直前にスト 政府との賃上げ交渉、進展なく
英国医師会(BMA)は29日、BMAに加盟するイングランドのジュニアドクターが7月4日の総選挙直前に5日間のストライキを実施すると発表した。賃金引き上げを巡り政府と3カ月にわたり協議してきたが、進展がなかったためと説明している。 ストライキは、6月27日午前7時(現地時間)から7月2日午前7時までの予定。ただ、政府がジュニアドクターにとって受け入れ可能な賃上げ案を提示すれば、ストを撤回する。 BMAのジュニアドクター委員会は、「政府に対してはかねて、納得できる賃上げ案が示されない限りストを実施すると明確に伝えてきた」と説明。「スナク首相は今からでも医療従事者への配慮を示すことができる」とし、受け入れ可能な賃上げ案を選挙公約として打ち出すよう訴えている。 これに対しスナク氏は、今回のストのタイミングは「きわめて政治的に感じられる」と批判している。また、支持率で与党・保守党をリードする最大野党・労働党のストリーティング影の保健相は、「労働党が政権に就けば、ジュニアドクターと交渉してストを終わらせる」と強調している。 イングランドの国民医療制度(NHS)では、昨年来の医師の断続的ストライキにより約150万件の診療や治療が中止されている。ただ、看護師や救急隊員、シニアドクターはすでに政府の賃上げ案を受け入れている。[労務]