移動式変電所の接続万全に 長野県塩尻市で訓練
中部電力パワーグリッドは21日まで、長野県塩尻市広丘郷原の中信変電所内の塩尻訓練所で、移動式変電所の接続訓練をしている。送電網から各家庭、事業所に電気を送る際に必要な変電設備をトラック2台にまとめてあり、訓練ではケーブル接続の手順を確認している。20日、報道関係者に公開した。 訓練には、松本など県内4支社の19人が参加している。20日は変圧器車と、機器の保護や電流の開閉などを担うキュービクル車を接続する訓練をした。 2台をつなぐケーブルは長さ50メートル、重さ370キロもある上に、曲げにくく、丁寧に扱う必要がある。参加者は手分けをして声を掛け合い、作業を進めた。 付属品の所在が不明確であるなど、課題も見つかった。上田支社の小池孝介さん(24)は「地震や台風の際に迅速に対応し、安全に電気を送れるようにしたい」と話した。 高電圧で送られてくる電気を家庭などに配電する際、電圧を弱める配電用変電所は県内に168カ所あるが、災害などで壊れた場合、どこにでも出掛けることができる移動式変電所が使われる。県内では唯一、中信変電所に1組が配置されており、令和元年の台風19号災害で長野市の豊野変電所が冠水などの被害を受けた際に活躍した。
市民タイムス