再選目指す福岡県・服部誠太郎知事、そつのない「全方位外交」に徹した3年半…独自性打ち出せるか
福岡県の服部誠太郎知事(70)は26日、県庁で記者会見を開き、任期満了に伴う知事選(来年3月6日告示、同23日投開票)に再選を目指して無所属で立候補すると正式表明した。 【写真】福岡県庁
服部氏は2021年4月の前回選に、副知事として約9年半支えた小川洋・前知事(2021年11月に死去)が病気療養で辞職後、「緊急登板」の形で出馬した。福岡県では初の県職員出身の知事だったが、そつのない「全方位外交」に徹し、この3年半で足場を固めた。
県の課長や部長を歴任した「生え抜き」で、もともと県財政に精通。企業や海外領事との意見交換も意欲的に取り組んだ。政界の重鎮である麻生太郎・自民党最高顧問は昨年、服部氏から予算編成などの要望を受けた際、「(内容が)年々良くなっている」と評価したという。
議会対応では「報告・連絡・相談」が早いとされ、最大会派・自民党県議団と緊密だ。立憲民主、国民民主両党を支える連合福岡との関係も良好で、先月には藤田桂三会長と並んで街頭に立った。ベテラン県議は「私的な野心は感じない。とにかく多方面から情報をとってくる」と話す。
一方、青少年育成や半導体、水素など麻生渡・元知事時代から継承する施策が目立つ。前回選で「世界から選ばれる福岡」を掲げたが、強力なリーダーシップも求められ、「ここからが正念場」(県議)との声もある。来年3月の選挙戦で、いかに「独自性」を打ち出せるかが課題となりそうだ。(手嶋由梨)