紅こうじ論文は「適正」と著者 販売後の品質確認が重要と指摘
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害問題で、コレステロール低減をうたう機能性表示食品の科学的根拠として同社が国に届け出た論文著者の庄司哲雄大阪公立大研究教授(代謝内科)が10日までに共同通信の取材に応じ「論文は研究結果に基づき一定の責任を持って書いた。今読み直しても非常にニュートラルな評価だ」と述べ、紅こうじの効果や安全性に関する評価は適正との見解を示した。 【写真】小林製薬が製造した「紅こうじ」の粉末原料
機能性表示食品は文献調査などの根拠を示せば、薬や特定保健用食品のように審査することなく国に届け出ができる。制度の厳格化を求める声に対し庄司研究教授は「審査があってもこのデータで通ったと思う」とした上で、「審査を厳格化しても製造の過程で予期せぬ物が混入すれば健康被害につながる。販売後も品質を継続して確認できる仕組みにすることの方が重要だ」と指摘した。 自主回収対象の「紅麹コレステヘルプ」などの商品は悪玉と呼ばれるLDLコレステロールを下げると表示。同社は根拠として庄司研究教授らによる2018年の論文を示している。