ウクライナ「平和サミット」、ロシアと将来の限定的交渉を視野-文書
(ブルームバーグ): ウクライナ問題を巡りスイスで開催される「平和サミット」では、原子力の安全と食料安全保障、連れ去られた子供の帰還について合意を確立した後で、将来的にロシア当局者を巻きこんだ交渉に道を開くことを目指している。草案文書で明らかになった。
ブルームバーグ・ニュースが草案文書を確認した。この文書によると、スイスのルツェルンで今月15-16日に予定される会合では、限られた数の問題について将来的にロシアと協働するため信頼を構築する方法として、3つの措置に焦点を絞る。
ウクライナが主導するこの会合からロシアは排除されているが、戦争終結には全ての当事者の関与が必須だと文書は指摘している。
「従ってわれわれは、ロシアの代表者によるさらなる関与を確保しつつ、上記分野の信頼構築措置として機能し得る具体的な動きをとることに合意した」と文書は説明。文書内容は交渉の中で変わることもあり得る。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの交渉を開始する以前に、ウクライナからのロシア軍完全撤退を含む、より広範な要求について新興国を中心とするいわゆる「グローバルサウス」など諸国から同意を取り付けたい考えだった。
だが、数十カ国に及ぶ上級外交官や安全保障担当顧問らが交渉を重ねた末に行われるスイスでの会合では、できるだけ多くの首脳の参加確保を優先。ウクライナが提唱していた10項目から成る和平案から、範囲を狭めた。
ウクライナとその支援国は、この和平案への全面的な支持確保に苦戦していた。とりわけ中国は今回の会合に出席しない可能性を示唆。ゼレンスキー氏は先週、中国は中立を装いつつロシアとの緊密な関係を維持し、会合を台無しにしようとしていると不満をあらわにした。
ゼレンスキー氏「アジア首脳は平和サミット参加を」中国の妨害を非難
インド、ブラジル、南アフリカ共和国、サウジアラビアなど重要視される他の国々がどの程度参加するのかは依然明らかではない。