「甘やかしたら罰金1000円」同居父に対して、老人ホームへの追い出し計画を立てる嫁。私はどちらにつけばいいですか?
厚生労働省によると、令和5年10月サービス分の統計において、老人施設に入所して介護サービスを受けた人の数は約97万人に上ったという。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、介護サービスの実情について次のように語る。 「97万人と聞いても多いのか少ないのかわかりづらいのですが、上記と同月分の統計では、在宅で介護や関連サービスを受けた人は約425万人にも上ったのだそう。施設入所数に比べて在宅介護数がいかに多いかがよくわかります。 介護の担い手不足が、職業的な意味だけでなく家庭内でも深刻な状況となっている今、家で高齢者のお世話をすることに限界を感じている方はさぞ多いことでしょう。在宅で介護中のお宅では、誰か1人に負担が寄っていないか、家族・親族皆さんで心配りをなさってください」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今回、在宅介護を通じて家庭内で起きた揉めごとについて、経験談を寄せてくれた男性に取材した。 「83歳になる父が以前にも増して頑固で怒りっぽくなり、粗相や暴言もあるので、私たち夫婦は父を施設に入所させようとしました。本人が一向に首を縦に振ってくれず数年がかりで説得したのですが、そのストレスからか、妻の人格までが変貌してしまいました。いまでは『お義父さんに優しくしたら、罰金1000円ね』と私に対してペナルティを課すほどです」 こう話し始めたのは、鴨下英紀さん(仮名)。会社役員の52歳だ。英紀さんの父は、日常の会話は問題なくできるものの、1人で全て身の回りのことをすることができなくなったという。 「妻は家の一部をリフォームした教室で、ある楽器を教えています。忙しいのは妻も同じですが、家にいるものですから、家事や父の世話を担う比重はどうしても妻の方が大きくなっていました。それは申し訳なかったのですが……」 ヘルパーやデイサービスを利用しつつ、父の日常的な世話の大部分は英紀さんの妻の肩に重くのしかかっていた。 「私はだいぶ前にそろそろ親父を施設に入れようと提案し、妻も『絶対にそうしたい』と言っていたのですが、父がまったく同意してくれず、何だかんだで2年近く問題を先送りしていました」 今になって思うと、自分よりも妻の方がだいぶ父親の入所を急いでいたし、強く望んでいた気がする、と英紀さん。 というのも、父は昔から亭主関白で短気だったので、英紀さん自身は父の微妙な変化に気づくことができなかったが、妻は一貫して「認知症の傾向としての怒りっぽさも出ている。早く入れないと大変なことになる」と主張していたからだ。 「父が、数年前に亡くなった母について急に怒り出した時には、妻と激しい口論になりました。父が突然『あいつは昭和53年の夏に浮気をした! あいつだけは許さない!』と叫んだんです。 妻はその時に『お義父さんは明らかにおかしい』と言っていました。でも私は『昔話をしたがるのは老人の常だろ?』と反論したんです」 母が若い頃に浮気をしたという暴露話に多少のショックを受けつつも、亡くなった人のことを、しかも色恋の話を息子夫婦や孫のいる前でするなんて、老人というのはデリカシーがないな。英紀さんはその程度にとらえていたのである。
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