「鯛めしの素」と「燻製イイダコのアヒージョ」に観光土産のポルトガル大使館賞
感動を伝える観光土産品を表彰する2023年度(第64回)「NIPPON OMIYAGE AWARD」(全国推奨観光土産品審査会)のグローバル部門ポルトガル大使館賞に、日本ポルトガル交流史に深い関わりを持つ徳島県と長崎県の土産品が選ばれた。 まず、徳島県の土産品で受賞したのは、株式会社さわの「鯛めしの素(天然鯛鳴門鯛)」(1,836円)。渦潮で有名な鳴門海峡の潮流のなかで育った鯛は、「鳴門鯛」とよばれている。激流の影響で身が引き締まっており、歯ごたえがあるとされる。「鯛めしの素」によって鯛の旨味がご飯に染み込み、上品なだしの香りが食卓を包みこむ。「鯛めしの素」は鳴門鯛のブランドイメージを高めるために北灘漁協と共同で商品開発を行った商品だという。
2月20日に行われた表彰式には同社代表取締役の森永千嘉さんが出席した。 徳島は、ポルトガル海軍の軍人で作家、日本駐在の外交官としても働いたヴェンセスラウ・モラエスが晩年の16年間を過ごした地として知られる。モラエスは阿波おどりや徳島での暮らしなどについてポルトガルの新聞に記事を書き、日本文化の紹介に尽くした。モラエスは徳島に住んでいた時代に2回ほど「鳴門の渦潮」の見学に行き、「みごとに日本的な風景だ」と称賛している。
長崎県の土産品で受賞したのは、株式会社将大の「燻製イイダコのアヒージョ」。長崎県産のタコを対馬産のチップを使用して燻煙。長崎県産のエリンギを使用など地産地消にこだわったアヒージョだ。 日本とポルトガルの友好関係の歴史は1543年に種子島にポルトガル人が上陸したのが始まり。特に長崎県は、1550年に平戸にポルトガル人が来航して以来、長崎港などでの南蛮貿易を通じてポルトガルとの関係が深かった。長崎経由でポルトガルの様々な食文化が伝わり、長崎名物のカステラもポルトガルの伝統菓子に由来する。