４回、田宮の左前タイムリーに両手を挙げる新庄監督（撮影・市尻達拡）

　「広島０－５日本ハム」（４日、マツダスタジアム） 　日本ハムは三回までと四回以降は別のチームになっていた。四回無死から水谷が右前打を放ち、この試合初めて走者を出した。以降は計１４安打の猛攻。２年前に８回２安打、１２三振を喫して無得点に抑えられた床田をＫＯし、２連勝で２位に浮上した。 【写真】さすが首位打者　華麗なるバットさばきで先制左前打の田宮 　新庄剛志監督は「自信になったと思いますよ。選手は。よう打つわ。しかし」と息をついた。初回から浅いカウントで仕掛けたが「コントロールの悪いピッチャーじゃないし、１本出たらどんどんいってくれる」。描いた攻略法を選手が実行した。 　四回は首位打者の田宮が先制左前打を放ち、同級生の万波も左前適時打で続いた。六回は田宮、万波の連打で好機をつくり、敵失で加点。ともに３安打１打点で貢献した。万波は「同い年がみんな試合に出てやっているので、刺激になりますし負けたくないなという気持ちになります」という。 　球宴ファン投票では万波が１２球団トップ、田宮が同２位の得票数。計９人が出場圏内という現状。田宮は「出られるなら（みんなで）出たいですね」と心待ちにする。そんな状況に複雑な表情を見せたのは新庄監督だ。 　「うれしいですよ。けど、喜び全開じゃないんですよ。エスコン（での開催）だから」と得票数とホーム開催の関連を指摘して複雑な表情。「東京ドーム、神宮、広島とかのオールスターで今の選ばれ方してたら、もう俺は死んでいい」とさらなる成長を期待する。 　試合前に「口ずさみます、今日。“勝ーち勝ーち勝っち勝ち”」と、好きだという広島得点時に流れる応援歌「宮島さん」のサビ部分を歌っていたが、完封勝ち。「宮島さん」は１度も流れなかった。「良いことなんですけど…。聞けなかったということで」。苦笑いしつつ、球場を後にした。