燃えかす懸念、花火大会中止続出 コロナ禍で住民意識変化か
夏の風物詩である花火大会が今年、落下する燃えかすへの苦情から、徳島県や千葉県など各地で中止となった。昨年は新型コロナウイルス禍が明け、数年ぶりの開催となった大会も多い。自治体関係者は「毎年であれば慣れもあるが期間が空き、意識が変わったのではないか」と分析する。 徳島県鳴門市で例年8月に開かれる「鳴門市納涼花火大会」。約5千発の花火が打ち上がり、コロナ禍前は約9万人が訪れていたが、同市などでつくる実行委員会は今年は中止とし、来年以降、規模を縮小した開催を検討している。 実行委によるとコロナ禍前に比べ、住民からの燃えかす被害報告の件数が増えた。以前から燃えかすが車に染みを作る被害があり、これまでは職員が洗車して対応していた。だが担当者は「近隣では太陽光パネルも増え、さらなる被害の増加が予想される。1軒ごとにシートをかけるのも難しい。開催方法を検討する時期に来た」と話す。 千葉県船橋市の「船橋港親水公園花火大会」は昨年、燃えかすが近くの係留所のボート7隻に落ち、修理費用約1200万円を保険で負担した。