なんて読む?「妹背牛」「大麻」=北海道難読地名「函館本線」(上)
札幌周辺には危険な香りも?
前回の「難読地名」記事では札幌周辺を取り上げましたが、その中で漏れている地名がありました。難読地名とは趣旨が違いますが、少し“危険な香り”のする地名です。 ●大麻 この地名はいろいろな意味で有名だと思います。「たいま」とは読まず、「おおあさ」と読みます。しかも、大学・高校・研修所が周辺にある文教地区です。この地名は、「大曲(これまた難読地名の「おおまがり」)」と「麻畑(麻地という説もある)」の2つの地名の頭文字をとってつけられたとか。 ●然別 アイヌ語の「シ・カリ・ペツ」(自分を回す川)に漢字をあてたものです。「しかりべつ」と読むのですが、駅名は「マッサン」の舞台で知られる余市(よいち)町の近くにあり、湖名は十勝地方にあります。ちなみに十勝地方の然別では、冬の間だけ登場する「然別湖コタン」という雪氷の村が有名です。
●倶知安 「蝦夷富士」こと羊蹄山(ようていざん)を有する倶知安。難読漢字の代表格ではありますが、改めて紹介しますと「くっちゃん」と読みます。アイヌ語の「クッ・シャン・イ」(くだを流れ出るところ)という意味の言葉が転訛した地名です。カントリーサイン(道路の市町村標識)の通り、ジャガイモの産地でありニセコでのスキーを楽しめる場所で、その雪質の良さから海外からのスキーヤーにも大人気の場所です。 ●比羅夫 その倶知安の中にある比羅夫駅は、もともと有人駅でしたが現在は無人駅になり、旧事務室がコテージとして使われています。駅と隣接していることから、「日本一探しやすい宿」(「駅の宿ひらふ」ホームページより)なんだとか。で、ネタバレしてしまいましたが、「ひらふ」と読むこの地名、北海道では珍しく飛鳥時代にこの場所を領地としていた将軍・阿倍比羅夫が由来となっています。
いかがでしたか? 函館本線編パート2はあす26日に公開予定です。 (橋場了吾/北海道観光マスター)