J1初年度で躍進も…町田が抱える集客課題 OBが明かす苦労「無料チケットも重要だけど」【インタビュー】
一方で、Jリーグを盛り上げる施策として現在ではSNSの活用やメディアとの関係性も大事になってくる。「今は選手も自己発信できる時代になってきています。それぞれがコンテンツを持っているなかで、アクティブにポジティブな発信し続ける選手、結果を出し続ける選手をよりピックアップしてほしいです。各地域に根付いた発信を拾っていただいたり、メディアの方が取り上げてくれると選手としてもすごく嬉しいですよね」と、時代の変化に対応していく必要性を説く。 「地域に根付いたメディア、新聞社、行政が一体になってクラブを応援する。そんな関係性や発信ができたら、今以上に良い効果が生まれるかもしれません。スター選手の発掘も、選手個人が頑張るのはもちろんですが、メディアの人たちと一緒に作り上げていくものでもある気がします」 こうしたSNS活用やメディアとの協力体制が強化されれば、さらにJリーグを盛り上げることができる。企業との関わり方も含め、Jリーグも転換期を迎えているのかもしれない。太田氏も「Jリーグは今後、アジアでもっと抜けたリーグにならなきゃいけない」と目標を掲げる。1993年に産声を上げた日本のプロリーグは、今後課題を1つ1つクリアしていくことでまだまだ伸びしろがあるはず。プロ選手、そしてクラブに携わる役員の目線を持つ太田氏も、その様子を見守っている。 [プロフィール] 太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。
FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko