阪神・坂本が残留決めた! 投手陣の信頼厚い虎の頭脳 FA権を行使せず、来季も「守りの野球」支える
阪神の坂本誠志郎捕手(31)が今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留することが12日、関係者への取材で分かった。昨年は18年ぶりのリーグ制覇と38年ぶりの日本一に貢献し、今季も64試合に出場した虎の頭脳が、来季、球団創設90周年を迎える猛虎を支える。 熟考に熟考を重ね、坂本が決断を下した。関係者への取材で、来季もタテジマのユニホームに袖を通すことが明らかになった。きょう13日のFA申請締め切りを前日に控えたこの日、球団側と話し合いの場を設け、プロ9年目で手にした国内FA権を行使せず、残留する道を選んだ。 4日に報道陣の取材に応じた際には、「ドラフトでタイガースに縁があって入って、いろんな恩もある」と球団への愛着を口にしていた。その一方で「いろいろとこうやって考えるのも僕の野球人生。いっぱい考えて悩んでいるところです」と語り、さまざまな選択肢を頭に描いていることを明かしていた。 原口のFA宣言と、糸原の残留に伴う記者会見が行われたこの日、嶌村聡球団本部長は「大山君も、坂本君に対しても、何回も言っていますけど、必要戦力。残っていただいて来年優勝を目指したいというのは常々、4選手(FA権を今季取得した大山、坂本、原口、糸原)に言っている話なので。その気持ちは変わらずというのは当たり前、当然のこと」と全力で慰留に努めていることを明かした。こうした熱意が、引き留め成功につながったとみられる。 決して派手さはないものの、チームに欠かせぬ戦力だ。日本球界屈指のキャッチング技術と巧みなリードを武器に、昨季は自己最多の84試合に出場して18年ぶりのリーグ制覇と38年ぶりの日本一に貢献。梅野がシーズン途中に骨折で離脱した穴を、1人で埋めた。今季も梅野との併用で64試合に出場。2年連続2桁勝利の大竹ら、技巧派投手の扱いに特に真価を発揮した。 リーダーシップにも定評がある上、コミュニケーション能力に優れ、投手からも野手からも信頼が厚い。虎の頭脳にして心臓でもある主力の残留は、藤川新監督が目指す守りの野球を支えることになる。 ◇坂本 誠志郎(さかもと・せいしろう)1993年(平5)11月10日生まれ、兵庫県出身の31歳。履正社では1年秋から正捕手を務め、2年夏と3年春に甲子園出場。明大では2年春と秋にベストナイン。15年ドラフト2位で阪神入団。23年は自己最多の84試合に出場し、日本一に貢献。ゴールデングラブ賞を初受賞した。1メートル76、80キロ。右投げ右打ち。