プジョーの3列シートSUV、新型E-5008が欧州で発表。EVだけでなくPHEVやMHEVもラインナップ
兄弟モデルのE-3008とは大きく差別化された新型E-5008
2024年3月20日、ステランティスN.V.は3列シートを備えた新型SUV「E-5008」を発表。ボディサイズ拡大にともなう使い勝手の向上やChatGPTの搭載など注目ポイントは多い。 【写真】新型プジョー E-5008をもっと見る 2024年2月末に予告されていたプジョーの3列7人乗りSUV「E-5008」の発表が正式に行われた。欧州で2024年秋の発売を予定しているという。「E」がつく名称を従来からのセオリーで考えると「まずはEVからの発売か」と思われたが、E-5008はすべての電動化モデルに与えられる名称であることがリリースには書かれている。 つまりE-5008は、EVだけでなく1.6L直4ターボエンジン(150ps[110kW]/300Nm)とモーター(125ps[92kW]/115Nm)を組み合わせたプラグインハイブリッドモデル、そして1.2L直3ターボ(136ps[100kW]/230Nm)の48Vマイルドハイブリッドモデルも含まれるという。ただ、ここでは3つのグレードを用意されたEVモデルに焦点をあてていこう。
ボディサイズは拡大してキャビンは余裕たっぷり
まず、この新型はステランティスの新しいプラットフォーム「STLA Medium」を採用したモデルで、ボディサイズは従来モデルよりひと回り大きくなっている。全長は約150mm長く4791mmに、全幅も50mm近く広く1895mmに、そしてホイールベースも約100mm長く2901mmとした。 ボディ拡大は居住空間の拡大と使い勝手の良さに貢献している。2列目と3列目のシートバックをすべて倒すとフルフラットな空間となって最大2mの長尺物を積載、車中泊も余裕でできるほどのスペースだ。そのフロア下には400Vリチウムイオンバッテリーが搭載されるが、容量は73kWhと98kWhのふたつ用意される。前者はFWDもしくは2モーター4WD(いずれも航続可能距離は約500km)、後者はFWD(同660km)となる。 インテリアで特徴的なのは、ドライバーに向かってラウンドするように配置された21インチワイドスクリーンによるプジョー i-コックピットで、シェイプされたステアリングホイールの上辺越しに見るメーターディスプレイ(左側)と、ナビゲーションやマルチメディアを表示するセンターディスプレイで構成される。しかも取り付け構造とライティングにより、まるで浮遊しているかのような演出がなされているという。 ドライバーズシートは背の高いセンターコンソールやドアトリムに囲われているような、セパレート感のある構成となるが、2列目頭上まで続く大きなパノラマガラスルーフにより光が降り注ぐ明るい室内空間とすることで、窮屈さを感じることはなさそうだ。また、こうしたガラスルーフでは珍しく前半部分を開閉できるシステムとしているのもポイントだ。 ちなみに生成AIである「ChatGPT」を搭載したモデルでもあり、プジョー i-コネクト アドバンスドシステムと音声認識の最適化により、ドライブ中の楽しみのひとつとして加えられている。観光スポットやラジオから流れてくる音楽などの情報を聞き出したり、友人とクイズ大会を開くことだってできるのだという。会話が途切れたときはChatGPTにネタを振る、なんて使い方も便利そうだ。