「半身不随の子猫が立った!」会社をあげて行き倒れた猫を救出、妹猫守る兄猫の奇跡の回復
三重県鈴鹿市にあるTMK建設は、2022年8月から猫を飼い始め、現在5匹の猫の様子をSNSで発信している。なかでも、昨年11月に保護したのりしお(兄)とうすしお(妹)が、今話題となっている。資材置き場に横たわり、動物病院でも「今日、明日でだめかもしれない」と言われたのりしおが起こした、奇跡の物語とは? 同社でSNSを担当している近藤さんに話を聞いた。 【ビフォーアフター】痛々しい姿から劇的回復で「かわいすぎる」…すっかり美子猫になったのりしお・うすしお兄妹
■資材置き場に倒れていた子猫「見た瞬間『あ、ダメかもしれない』と思った」
――のりしお、うすしおのお話の前に、御社では2022年から会社で猫を飼い始めたと伺いました。どのようなきっかけだったのですか? 【近藤】「企業ペット」という言葉を耳にし、その効果を調べてみると、社員同士のコミュニケーションの増加や笑顔が増えるなど、社員の活性化につながるとありました。弊社は10代~60代と幅広い年齢の職人が在籍しているので、みんなのコミュニケーションの一環となればという思いで飼うこととなりました。 ――社内で反対の意見はなかったんですか? 【近藤】はい。もちろん、社員全員と話し合い満場一致で「飼ってみよう」となり現在に至ります。そこで迎え入れたのが、かつお(社長命名)とたまこ(従業員命名)です。 ――猫を受け入れる体制が整っていたんですね。では、のりしお、うすしお兄妹のお話に入りたいと思います。SNSでは資材置き場にのりしおが横たわり、うすしおが寄り添っていたとありましたが、もう少し詳細なお話を聞かせてください。 【近藤】昨年11月19日、日曜日の午前中に社長の兄から私宛に電話がかかってきました。「資材置き場で子猫が倒れている」と。状況を聞くと、「震えていて動かない」とのことだったので、「すぐ行くからとりあえず事務所の中にいれて温めておいて」と言い、すぐに事務所へ向かいました。 ――駆けつけてからは、どのような対応を取られたんですか? 【近藤】昼前に会社に到着し、見るとガタガタ震えて目もうつろな子猫。見た瞬間「あ、ダメかもしれない」と思いました。日曜日に診察可能な病院を片っ端から探し、ようやく見つかったのが16時診療開始のところ。「あと数時間で死んでしまうかもしれない」と思い、タオルで包んでストーブで温めてと、とにかく必死でした。