Q　遺族年金はほかの年金と一緒に受け取ることができますか A　公的年金は1人に1つの年金が原則です。しかし遺族厚生年金を受給している65歳以上の人は、ほかの年金を一緒に受給できる場合があります Q　どのような場合ですか A　多いケースは老齢基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせです。老齢厚生年金も受給できる場合は、その金額分の遺族厚生年金が支給停止になるので、受給するのは「老齢基礎年金＋老齢厚生年金＋遺族厚生年金の支給停止以外の部分」になります。また、障害基礎年金と遺族厚生年金は合わせて受給できます Q　遺族年金は子供の有無や年齢などで受給できるものが変わるので、複雑ですね A　たとえば会社員の夫が45歳で亡くなり、子供が2人いる40歳の妻の場合、最初は遺族基礎年金＋遺族厚生年金＋子供の加算額を受給します。ここで子供とは18歳の年度末に達するまでの子を指すので、そうなるたびに子供の加算額がなくなります。2人とも18歳の年度末を超えると「子供がいる」という受給条件を満たさないため遺族基礎年金が打ち切られ、65歳までの中高齢寡婦加算が始まるーといった具合です Q　そのときどきで受給状況が変わるのですね。今後、きちんと対応できるか心配です A　これまで私が対応した案件では、夫を亡くした妻は、まず遺族年金の手続きをしているケースが多いですよ Q　そうなんですか。制度をよくご存じなんですね A　遺族年金は遺族の生活を支える大事なもので、そのことは周知されているようですね。もしものときの生活を考えておくことは大事なことです。現在、国の審議会で、受給年数などの大きな見直しが行われています。制度の中身と変更点について注視していく必要があります （回答者　社会保険労務士　當舎（とうしゃ）緑）