東京で日本のスタートアップが世界とつながる 宮坂副知事も期待「世界の“結節点”に」最大6億の事業支援も
国内外のスタートアップ関係者が集まるイベント「TIB Global Expansion toward 2025」が17日、東京都のスタートアップ支援施設「Tokyo Innovation Base (TIB)」(有楽町)にて行われ、宮坂学副知事が登壇。グローバルを念頭に置いた東京都のスタートアップ戦略をアピールした。 【写真】3Dプリンターや3Dスキャナーなど約2000点ものツールがそろう 15日にグランドオープンした、東京都による最大級のスタートアップ支援施設「Tokyo Innovation Base(略:TIB)」では、東京からイノベーションを巻き起こすことを目指し、業種や分野に依らずスタートアップを対象に幅広い支援を実施。プレオープン期間からスタートアップ関連イベントを実施しており、この日に行われた「TIB Global Day 2024」には、海外のスタートアップ関係者も多数参加。台湾の公的スタートアップ支援機関代表者やタイのイノベーション庁長官、世界的アクセラレーター・VCなども登壇し、東京のスタートアップ戦略に大きな期待と関心を寄せた。 東京都の宮坂副知事も、国内外の学生を対象としたアントレプレナーシッププロジェクトや、さまざまなアクセラレーターを迎えるユニコーン発掘プロジェクトなど目玉プロジェクトを紹介しながら「東京が世界のスタートアップの“ノード(結節点)”となれば」と期待。また今後、東京都では「東京の成長にとって重要な領域の中から6つのプロジェクトを採択し、東京都から3年間で最大6億円の支援を行います。6月上旬から事業の公募を開始します」と発表した。
ものづくり系スタートアップ垂涎!3Dプリンター、3Dスキャナー、各種工作機械がそろうスペースも
TIB全体で約6000平方メートルにもなる広大な敷地内にはメイン館(SusHi Tech Square 2~3階)と別館、施設裏のガレージスペースがある。 メイン館2階には大型ビジョンを備えたステージがあり、国内外のスタートアップ関係者が集う多彩なイベントを開催。また、2~3階には大小さまざまなミーティングスペースやサロンがあり、チームのミーティングや支援者との交流の場として利用できる。 「TIB FAB」では、約2000点ものハードウェア制作ツールを無料または低料金で利用でき、プロトタイプの製作やプロダクトの試作が可能。3Dプリンター、3Dスキャナー、レーザーカッター、UVプリンターといったデジタルファブリケーションや、ボール盤、バンドソー、グラインダー、エアツールといった工作機械、半田ごて、実体顕微鏡、リワークマシンといった基板実装や回路設計用の機械、オシロスコープや直流安定化電源、恒温恒湿試験機といった専門的な電子計測器や環境試験機などがそろい、大きな音や粉じんが出る作業ができる防音作業室も備えるほか、テクニカルアドバイザーによる使い方のサポート、ビジネス展開のサポートなども受けられる。日本だけでなく海外のスタートアップの利用も受け入れることで「日本の技術者・企業と海外のモノづくり系スタートアップがつながるきっかけにもなる」と宮坂副知事も期待を寄せている。 別館のTIB「SHOP」はTIBで選抜されたスタートアップによる商品のテストマーケティングの場となっており、一般消費者向けのプロダクトや食品などを最大2カ月間、試験的に販売することができる。有楽町という立地はもちろん、国内外のスタートアップ支援者や起業仲間ともつながりやすい場でテストマーケティングができるうえ、商品の陳列や接客のサポートも受けられる。