マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
SACらしいスタイリッシュさと広いキャビンを獲得
巷にあふれるSUV=スポーツ・ユーティリティ・ビークルではなく、あえて独自の“SAV=スポーツ・アクティビティ・ビークル”という呼称を用いるBMWが、プレミアムコンパクトクラスで唯一の“SAC=スポーツ・アクティビティ・クーペ”と謳うモデルが「X2」です。 【画像】「えっ!…」これが格段にスタイリッシュになったBMWの新しいクーペSUVです(75枚) 2世代目となる新型は、昨秋に開催されたジャパンモビリティショー2023で世界初公開されました。その新しい「X2」に、先日、筆者(島下泰久)はポルトガルで試乗してきました。今回はその印象をお伝えしたいと思います。
現地に用意されていた「X2」は、ガソリンエンジンを搭載する高性能版「X2 M35i xDrive」と、初設定となるBEV(電気自動車)仕様の「iX2 xDrive 30 Mスポーツ」の2台です。 まずインパクトが大きいのがそのデザインです。従来の「X2」はチョップドルーフのハッチバック的なデザインで、同じSACを名乗る兄貴分の「X4」や「X6」といったモデルの、強く傾斜したリアウインドウを持ついかにもクーペライクなフォルムとは一線を画するものでした。おそらくサイズやパッケージングの制約もあったのでしょう。 それに対して新型は、大幅なサイズアップと引き換えに、まさにSACらしい伸びやかでスタイリッシュな外観を手に入れました。正直、その変身ぶりは、先代と同じ車名のクルマとは思えないほどです。 フロントマスクも、基本骨格を共有する「X1」と雰囲気は近しいものの、実際には目つきはよりシャープで、キドニーグリルは薄くてワイド。しかも輪郭にLEDが組み込まれ、夜間にあやしく光る“アイコニックグロー”も装着可能となっているなど、よりスペシャルティ感が強められています。 ●新しいインフォテインメントシステムは上々の完成度 新型「X2」のボディサイズは、全長4555mm、全幅1845mm、全高1575mmで、先代に比べると180mmも長く、20mm広く、40mm高くなっています。 先代の、多くの機械式立体駐車場に入庫可能というメリットは失われましたが、一方で、もはやクラスが違うといってもいいほどのサイズアップによって、室内空間は大幅に拡大されました。 実際に乗り込んでみると、前席だけでなく後席も頭上や肩回りに十分な余裕があって、先代との大きな差を実感します。 荷室容量も後席使用時で従来比90リットル増の560リットル、後席背もたれを畳むと115リットル増の1470リットルにも達します。なんと、いずれも数値も兄貴分である「X4」を上回っていることは見逃せないポイントです。これはエンジン横置きプラットフォーム採用の恩恵に違いありません。 ちなみに、BEVとなる「iX2」は、フロア下に大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、その影響で後席の足元がわずかに高く、荷室も微妙に小さくなっています。ただし、その差はきわめて小さく、居住性も使い勝手もほぼ差はないといっていいでしょう。 新型はインフォテインメントシステムも注目です。搭載するのは最新の“OS9”。スッキリと整理されたレイアウトや新しいオンラインマップの採用などにより、より直感的な操作が可能になっています。 ここ数年、BMWのこの領域における変化の勢いはとても急でしたが、ようやくいいカタチにまとまってきたな、というのが実感です。