最寄り駅から一駅移動した段階で、忘れ物に気づきました。最寄り駅に戻って事情を話せば、お金は戻ってくるでしょうか?
電車に乗ってから忘れ物に気づいたとき、まだ一駅くらいであればすぐに戻ることができます。あまり時間が経っていなければ、他の人に拾得される確率も少ないでしょう。ところで、こういったケースで運賃を返してもらうことはできるのでしょうか。今回は、忘れ物を取りに戻った場合の運賃の払い戻しについて解説していきます。
乗車した分の運賃は払い戻しの対象にならない
結論からいえば、すでに乗車した以上は運賃を戻してもらうことはできません。忘れ物をしたために乗車した駅に戻るのは本人にとっては無駄な時間であり、移動にかかった運賃も無駄に感じるでしょう。 しかし、忘れ物をしたのは自分のミスです。たとえ忘れ物をしたことが事実でも、その責任が鉄道会社にあるわけではありません。そのような理由で運賃の払い戻しを要求しても、対応されないのが一般的です。 運賃の払い戻しについては、鉄道会社によってそれぞれに規定が設けられています。指定券や特急券など、利用前の乗車券なら払い戻しに応じているケースは多いですが、すでに乗車した分については通常は対象になりません。実際には利用した鉄道会社の判断になりますが、相談しても戻ってこないと考えたほうがいいでしょう。
他の交通機関についても返金される可能性は低い
タクシーや路線バスにおいても、一旦乗車した以上は運賃の払い戻しはできないのが一般的です。プリペイドカードや乗車券の払い戻しに応じているケースでも、すでに使われた分は払い戻しの対象にしていません。 路線バスの場合、発売後の車内販売の乗車券は、乗ったかどうかにかかわらず払い戻しに応じない会社もあります。会社側に落ち度がないのに運賃の払い戻しに応じていれば、利益を損なうだけです。そのような前例を作ってしまうと、乗車してから払い戻しをする人が増える恐れも出てきます。 こうしたさまざまなケースを見れば、乗車した後で運賃が返金される可能性は低いことがわかります。どのような事情があっても、それが利用者自身によって起こったことなら乗車した分の運賃は支払わなければなりません。 電車だけでなく、タクシーでもバスでも「忘れ物をして戻るから、その分の運賃を無料にして欲しい」という言い分が通らないのは一般的なことです。