【漫画家に聞く】ネットゲームにログインしたらもう一人の自分が? WEB漫画『この名前は既に使用されています。』が怖い
もしも自分がこの世の中に複数人いたらーー。そんな恐怖がどんどんと膨れ上がっていく漫画『この名前は既に使用されています。』が2023年にXで公開された。 本作の作者・すみれちゃんさん(@lalah_7th)は商業媒体での連載を控えた作家であり、漫画を描き始めてまだ1年という経歴を持つ人物。本作を創作したきっかけ、漫画を描くなかで感じた印象など、話を聞いた。(あんどうまこと) ーー本作を創作したきっかけを教えてください。 すみれちゃん:本作は2023年の5月に開催されたコミティア(一次創作物の即売会)に出展する合同誌へ寄稿した作品です。合同誌に寄稿する他の作家さんの雰囲気から、不思議で怖いお話の方が合っているかと思い、ホラーテイストの物語を描こうと思いました。 また自分はネットゲームが好きなのでこの題材を選びました。キャラクターネームを決めようとするとき、よくある名前だと他のユーザーと重複してしまう現象は多いかと思います。ただ、もしも他の人と被らないような、パーソナルな情報を含んだ名前でも重複してしまったら……それって怖いことだし、ある種面白いことでもあると思いながら、物語をつくりました。 ーー印象に残っているシーンは? すみれちゃん:母親と会話するシーンですね。自分の母親もネットゲームをしていると怒鳴りつけてくる人だったので、ゲームをする日常のリアリティを描くことができたかと思っています。 ボイスチャットを接続しながらネットゲームをしていると、相手側の音声から突然ドアが空く音や母親から怒鳴られる声が聞こえてくることがあります。一般的に“親フラ”と呼ばれていて……。自分に降りかかったら災難な出来事ですが、ネットゲームをするなかで親フラは面白いイベントとして感じています。そんなことの一部をこのシーンで表現できたかと感じています。
あんどうまこと