久光スプリングスの181センチ大器、入団内定18歳「ミイナ」が初得点! 「特別な場所」神戸で躍動【Vカップ】
バレーボールVリーグ女子1部(V1)の全12チームによるVカップが23日、神戸市の神戸総合運動公園体育館などで行われ、今季リーグ戦で年間6位(レギュラーラウンド3位)の久光スプリングスはトヨタ車体クインシーズにセットカウント0―3(20―25、17―25、19―25)でストレート負けを喫した。通算1勝2敗。24日は同体育館で東レアローズと対戦する。 ■【写真】生き生きした表情でアタックを放つ久光の井上未唯奈 Vカップは12チームを2グループ(AとB)に分けて1次リーグを行い、各グループの上位2チームがトーナメント方式で争うファイナルラウンドに進出。4月7日に優勝チームが決まる。久光はBグループ。
完敗に酒井監督「受け身になってしまった」
久光のスターティングメンバー(第1セット)は、中川美柚(24)、北窓絢音(19)、万代真奈美(25)、吉武美佳(20)、大竹里歩(30)、チタポーン・カムランマーク(28)、リベロ・高橋葵(18)。 久光のサーブレシーブの成功率はトヨタ車体に比べて約14ポイントも低い43・1%だった。逆にサービスエースは相手の3本に対して久光はゼロ。「サーブとサーブレシーブの攻防で主導権を握られないようにと臨んだが、いいサーブが入ってきて、受け身になってしまった」。酒井新悟監督は完敗を認めた。 昨季まで練習拠点だった神戸でのホームゲーム。雨の中、足を運んだ約1700人ものファンにとって、救いはニューフェースの活躍だろう。2セットを連取され、後がない第3セット。それまでの2枚替えではなく、ミドルブロッカーでセットの頭からコートインした入団内定選手の井上未唯奈(18)が躍動した。記念すべき初得点をブロード攻撃で決めるなど4打数2得点。「井上がミドルとして初出場したことはチームとして一つ進んだ部分」と酒井監督は収穫に挙げた。
「キャラクター的にも明るい、チームにいい影響」
井上によると、試合会場となった神戸総合運動公園体育館は大阪・金蘭会高時代に何度もプレーをしたという。試合後のセレモニーでファンの前に立った井上は「(負けたのは)悔しいけれど、この体育館は高校生の時にやっているので特別な場所です」と、初々しい声であいさつ。アタックによる得点の好感触とともに「神戸の地」の思い出がアップデートされた。 サイドアタッカーとしてのポテンシャルも秘めており、チームでは枠にとらわれない形で大きく育てていく方針。現状でのポジションはミドルブロッカーながら、練習ではサーブレシーブの強化にも取り組んでいる。「線は細いですが、決して非力ではありません。高さ(身長181センチ)もあります。キャラクター的にも明るいですし、そういう面でもチームにいい影響をもたらしてくれています」と、酒井監督は高く評価。花笑みの季節に合わせて登場した「ミイナ」が、未来へ向かって羽ばたいていく。 (西口憲一)
西日本新聞社