AI生成音楽を使って14億円を荒稼ぎした男が逮捕される
インプレゾンビ、まじキモいって。 米ノースカロライナ州在住の男が、AI生成音楽の「ストリーミング詐欺」をめぐる刑事事件で逮捕・起訴されました。判決は最高20年の懲役刑。
AI生成音楽を人間になりすまして配信
逮捕・起訴されたのは、ノースカロライナ州在住のマイケル・スミスという52歳の男性。検察によると、男はAIを使って数十万もの楽曲を生成し、Amazon Music、Apple Music、Spotify、YouTube Musicなどの主要ストリーミングプラットフォームにて配信。 オーディオファイルの曲名とアーティスト名をランダムに生成し、実際にいるアーティストの楽曲に見えるようになりすましてアップロードしていたようです。 なお、この犯行にはAI音楽会社のCEOらも協力し、AIを使って数十万曲を生成したとのこと。 1曲だけが異常なストリーミング数になると、アルゴリズムの改善や不正再生の検出など、配信プラットフォーム側にも怪しまれるので、再生数を数万曲に分散し検出しづらくさせたというわけです。
大量のボットアカウントで再生数稼ぎ
AIが作った曲を実際のアーティストになりすまして配信するだけでもかなり悪質ですが、この男、自ら開発した数千個のボットアカウントで、アップロードした音源を連続的に再生させ、著作権料を荒稼ぎしていました。1日あたり約66万回もの再生数を稼ぎ、合計1000万ドル(約14億円)以上を不正に儲けたそう。 最高刑が懲役20年の通信詐欺共謀罪、同じく最高刑が懲役20年の通信詐欺罪、最高刑が懲役20年のマネーロンダリング共謀罪の3つで起訴されていて、それらすべてが有罪判決を受けた場合、最高60年の禁錮刑になるとのことです。 一方で、配信プラットフォーム側の収益モデルや、アーティストに支払われるロイヤリティの低さなどの不公平性が議論され続けています。2024年4月からSpotifyは、年間再生数が1,000未満の曲には楽曲利用料を支払わないというルールを施行しています。ちなみに2024年、1,000以下だった楽曲は1億5,860万曲。半数以上にロイヤリティが払われていないというのは、なんだか腑に落ちない…。 音楽に限らず、まっすぐ向き合っている人が正しく評価されて、それに見合う対価を得られるような世の中になりますように! Source: U.S. Attorney's Office for the Southern District of New York
高橋真紀