“年俸3億弱”の大谷翔平は安すぎる? 「52-53」の金字塔で再び注目 前代未聞の後払い契約が示す“異次元コスパ”
日々数字が更新されていく。現地時間9月21日、ドジャースの大谷翔平は本拠地でのロッキーズ戦に「1番・DH」で先発出場。9回に今季53個目の盗塁を決め、自身が保持するシーズン記録を「52本塁打・53盗塁」とした。 【動画】MLB公式もクローズアップ! 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン 空前絶後の活躍に球界が沸いている。去る9月19日(現地時間)には、敵地でのマーリンズ戦で6打数6安打、3本塁打、10打点、17塁打、2盗塁という離れ業をやってのけ、「50-50」を超える偉業に箔をつけた。 直近7試合でも打率.452、5本塁打、18打点、長打率1.065、5盗塁と傑出。現地メディアでも「表現する言葉がない」と絶賛されるド派手な活躍の裏では、大谷が昨オフに交わした契約内容がふたたび話題となった。 米全国紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者は自身のXを更新。「そういえばリマインドだ。ショウヘイ・オオタニは6億8000万ドル(約986億円=当時のレート)を後払いにしていて、今年の年棒はたったの200万ドル(約2億8700万円)。MLBで史上最高の契約だ」とし、驚異的な“コスパ”を伝えた。 あまりの活躍に忘れがちになるが、大谷とドジャースの契約は世界が騒然となった。10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)のうち97%に値する金額を契約終了後の支払いにした大谷。交渉時にネズ・バレロ代理人に「僕の年俸を全部繰り越したら、チームは勝ちやすくなるの?」と問いかけた異例の決断は、まさに前代未聞。一部ではぜいたく税の抜け穴を突いた内容が反発を招いた。 批判も受ける契約だったが、球団にとっても効果は抜群だった。米スポーツ専門局『ESPN』の人気番組「Sports Center」に出演したデーブ・ロバーツ監督は満面の笑みを浮かべながら、こう語っている。 「オーナーのマーク・ウォルターは経営のプロだ。だから彼のことを私が語るのは変な話だが、ショウヘイ・オオタニへの7億ドルの投資は最高のリターンがあったと思う」 たしかに賛否両論はあった。それでも大谷はドジャースが勝つために「今、受け取れる金額を我慢してペイロールに柔軟性を持たせられるのであれば、僕は全然、後払いでいい」(入団会見時の本人談)とした。そんな偉才の現在の活躍は、ドジャースにとっても契約の成功を裏付けるには十分な結果だと言えよう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]