物価が毎年2.0%ずつ上がる場合、私たちはどのように家計管理を行っていけばいいのでしょうか?
資産を増やし、負債を減らすことで家計の体力は高まる
次に、資産・負債表内でできる工夫ですが、その方法は「資産を増やす」と「負債を減らす」の2つです。 資産を増やすことについては、国は「貯蓄から投資へ」のスローガンの下、2024年から始まった新たなNISA(少額投資非課税制度)を通じて積極的に投資を推奨しています。 投資をすることで資産が増え、仮に負債が変わらないとした場合、家計の体力である純資産が増加します。ただし、投資を行う際は、損失を被る可能性があるため、投資や経済についてある程度学びながら実践していく必要があります。 また、負債を減らす場合、物価が上昇し、お金の価値が目減りするわけですから、なるべく早くローンなどの借金を返済することが求められます。このような工夫を通して、純資産を増やしていきます。
まとめ
経済成長が伴う物価の上昇なら、賃金も上昇し、その結果として物価が上昇していくわけなので何ら問題はありません。 しかし、現在の物価上昇は、景気の回復よりも早くモノの値段が上がってしまったことから、通常の景気回復を実現させるためには賃金の引き上げが必要で、賃金の上昇率が物価の上昇率を上回るのに時間がかかります。 そして、賃金の上昇率が物価の上昇率を上回るようになると、そこから本当の意味で景気の回復が始まりますが、景気が回復していくと、通常、徐々に物価は上がります。問題は賃上げが毎年続くかという点です。 収入の増加が続く方もいれば、そうではない方も出てくるでしょう。仮に賃上げによる家計への恩恵が少ない場合、収入を増やすための工夫がさらに必要になってきます。 今後の収入について自分の場合はどうなのか考え、家計をしっかりと管理していくことが、これまで以上に求められるのではないでしょうか。 執筆者:重定賢治 ファイナンシャル・プランナー(CFP)
ファイナンシャルフィールド編集部