父が「車は5年で買い替えろ」と言いますが、なぜですか?まだ乗れるのにもったいない気がします…
多くの人が車を購入すると、長く乗り続けたいと思うものですが、父親や車好きの知人から「5年で買い替えた方がいい」と助言された場合、不思議に思うかもしれません。 一見、まだまだ使える車を手放すのはもったいないと感じるかもしれませんが、実は合理的な理由があるのです。今回は、車を5年で買い替えるべきと言われている理由と、乗用車の平均保有期間について紹介します。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた!
なぜ車の買い替えは5年と言われているの?
一般社団法人日本自動車工業会によると、自動車の平均保有期間は7.2年です。 では、なぜ車は5年で買い替えるべきと言われているのでしょうか。これには、「経済的な理由」と「安全性や技術の進化からみた理由」があります。 ■経済的な理由 車を5年で買い替えるべき理由のひとつは、経済的な観点からです。寿命の短い車や走行距離の長い車は、新車のときより価値が下がる傾向にあります。早めに買い替えることで、売却時に比較的高い価格で取引される可能性があるでしょう。 また、車の維持費用も考慮すべきポイントです。新車の間は故障が少なく、メンテナンス費用も抑えられますが、10年目あたりを目安に、部品の故障やエンジントラブルなどが増えてくる傾向にあるようです。 一般的に10年を迎えるタイミングで交換が必要になる部品とその費用目安は、表1の通りです。
※筆者作成 修理費用が増えると、結果的に維持費がかさみ、経済的な負担が増すことになります。 さらに、国土交通省によれば、新車新規登録(軽自動車の場合は初めて車両番号の指定を受けて)から13年を経過すると自動車税(種別割)が重課税されてしまいます。自動車税の重課率は、表2の通りです。
出典:国土交通省「自動車税のグリーン化特例の概要」「軽自動車税のグリーン化特例の概要」を基に筆者作成 加えて、自動車重量税も13年を経過したタイミングで高くなるため、5年で買い替えることで、メンテナンスコストだけでなく税金なども最小限に抑えることができるのです。 ■安全性と技術の進化 5年で車を買い替えるもうひとつの理由は、安全性と技術の進化にあります。 国土交通省自動車局では、5年ごとに政府が作成する「交通安全基本計画」に基づき、自動車の安全性向上に向けた具体的な目標や対策を立て、これまでにさまざまな安全技術の搭載を試みてきました。 従来の自動車では、運転者の安全運転を支援する「安全運転支援技術」や運転者の監視の下でシステムが運転を支援する、あるいは運転者に代わってシステムが運転を行う「自動運転関連技術」の搭載の加速化や性能の向上がみられます。 例えば、同じく国土交通省によれば、5年前の令和元年からは乗用車等の衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務化され、新車を中心に標準装備されてきました。 車の技術は日々進化しており、5年前の車にはこのような技術が搭載されていないものも多くみられます。そのため、5年を超えると、これらの新技術の恩恵を受けることができず、古い車では事故時の安全性が劣る可能性があるのです。 また、古い車は使用頻度や経年劣化により突然の故障やトラブルが起きやすくなるでしょう。特にエンジンやトランスミッションなどの主要部品に問題が発生すると、修理費用も高額になりがちです。一定期間ごとに新しい車に買い替えることで、安全性を確保しつつ、不意の出費を抑えることができるでしょう。