プロが選ぶ! 韓国ドラマの2024年上半期BEST3を発表
2位 財閥×刑事
ええと、私は『梨泰院クラス』以来のアン・ボヒョン好きなんですが、この作品は『軍検事ドーベルマン』から連なる、ボヒョンの勝ちパターンを確立した作品で、シーズン2の制作も決まってます!
財閥ハンスグループの庶子(婚外子)で、次男坊の末息子アン・ボヒョンは、事業を長男に引き継いでいままさにソウル市長選に打って出ようとしている父チャン・ヒョンソン(『ライブ』)の頭痛の種。優秀な後継者の長男クァク・シヤン(『美男堂の事件簿』)は、弁護士資格を持ってるこの弟に事業を手伝わせたいけども、ボヒョンが夢中になってるのは、めっちゃ財閥の財力に物言わせたサバゲーなんですね。夜中のデパート借り切り、俳優とかスタントマンとかに事件をやらせて、そこに「バットマン」みたいな感じの完璧装備のボヒョンが急行する、みたいな。
そんな中、友人を襲ったある男を追って乱闘になりのしちゃったボヒョンは、たまたま居合わせた刑事パク・ジヒョン(『財閥家の末息子』)に暴行の現行犯で逮捕されちゃうわけです。マスコミがこれを嗅ぎつけ、市長選の有力候補者の大スキャンダル!となるわけですが、実は捕まえたやつは指名手配中の強盗殺人犯で大手柄なんですね。このピンチをチャンスに変えるために、さらに才能あるのに活かす場所がない弟のために、一計を案じた兄シヤンは「弟は秘密裏に採用された警官で、事件を追っていた」っていう筋書きで警察と握り、大々的かつ華々しくボヒョンは警官に。その場しのぎかと思えばやる気満々で警察に出勤するボヒョンと、処分を免れながらも「財閥のお坊ちゃんの遊びに付き合わされるとは……」と憤懣やる方ないジヒョンのバディがここに誕生、次々と事件を解決してゆきます。
『梨泰院クラス』の強烈な悪役でデビューしながら、その後のボヒョンの魅力はある種の「ユルさ」なんですね。ストイックにギリギリとやらない、かるく威張ってみるもちょっとヌケ作で、おぼっちゃんぽい余裕と素直さに、気前のいい金払いっぷりとセレブのコネクションで、痛快に事件を解決してゆきます。つまるところこのキャラクターには悪意が全然なく、班長のジヒョンやニ番手のカン・サンジュン(『ドクター・スランプ』)が「きっ!」となっても、つねに「なに怒っちゃってんの?」みたいな悪びれなさで、あらゆることに粘着しない愛されキャラなんですね~。特に犬猿の仲のカン・サンジュンと仲良くなっちゃう下り、2頭の大型犬(ふたりとも187cm)がじゃれ合う感じがめっちゃかわいく、ボヒョンがお姫様抱っこされる(する、じゃなく、される)という、ちょっと見たことない必見の場面となっています!『梨泰院』と正反対のキャラってんでしょうか!冗談みたいな派手ファッション、そんなBMWどこで売ってんだよ!ということごとくギラギラな感じもウケるし、ボヒョンのオールバックを見ると金正恩思い出しちゃうんですよ!見比べてください!たぶん武闘派御曹司ヘア!(テキトー)でもってコンビ役のジヒョンは『ユミの細胞たち』のセイですよ!あのドラマでは「マジこの女!」と思ってたけども、こっちはクールでなかなか良い!