長野県松本広域で建物火災相次ぐ 暖房器具使用に注意呼び掛け
長野県の松本広域消防局の管内(松本市、塩尻市、安曇野市、東筑摩郡)で11月以降、建物火災が相次いでいる。11月1日から今月17日までの間に前年同期比5件増の12件が発生し、ゼロだった死者が3人に上っている。同局は、調査中を含め石油ストーブやファンヒーターなどの暖房器具による出火が多いとみており、防火対策の徹底を呼び掛けている。 同局予防課によると、管内で過去に起きた暖房器具による火災の原因は▽火の元の近くに可燃物が置いてある▽高温になる場所に置いてあったスプレー缶が破裂した▽ストーブの火を消さないまま給油した▽カートリッジタンクのふたが確実に閉まっていないまま、戻そうとして灯油をストーブに直接かけた―などがある。雨が降らず空気が乾燥すると、延焼するリスクが高まる。 管内の今年の火災による死者数は15人で、昨年の2.5倍にもなっている。このうち10人が建物火災で亡くなり、高齢者などの体の不自由な人が逃げ遅れて命を落としている。住宅用火災警報器を設置していないか、警報器があっても機能していないことも要因に考えられるという。 同局予防課の坂下淳課長補佐は「器具周辺に物を置かないようにしてほしい」と訴える。寝る時はストーブのスイッチを切る、調理時に火のそばを離れない、コンセント周辺のほこりを掃除するといったことの習慣付けも呼び掛けている。
市民タイムス