アルピーヌが水素燃焼エンジン搭載のプロトタイプ「アルペングロー Hy4」を発表
レーシングカーでは終わらないその先にある可能性
アルピーヌは2022年のパリショーで水素燃焼エンジン開発の狙いを「カーボンニュートラルを実現しながら、圧倒的なパワーとサウンドを提供し、ドライビングプレジャーを備えた理想的なパワーソースである」とコメントした。 さらに「EVを始め電動車は、好むと好まざるにかかわらず将来は市場の60~70%を占めることになるが、残る40~30%の領域にはさまざまなソリューションが混在することになるだろう。水素は燃料電池車と共存する内燃機関の燃料として有望だ」とコメントを残している。もっとも、水素の量産や供給インフラ整備には課題が山積しているという現状から、目を逸らすことはできないが…。 つまりは、カーボンニュートラルは電動車一択ではない。現状ではEVほか電動車が先行しているが、水素燃焼技術がそれに追いつく日もやってくるかも知れない。アルピーヌでは水素燃焼エンジンを「モータースポーツの世界に限らず、公道を走るさまざまなモビリティのパワーソースとしても検討している」という。 当面、同社は6月に正式発表される「A290」を皮切りにEVシフトを強力に進めていく計画だ。とは言え、そのさらに先には電動車と共存する内燃機関搭載車の存在があるのかも知れない。エキゾーストノートを轟かせ走り去る未来のスポーツカーの姿に、思いを馳せてみるのも悪くはないだろう。