2024年にマーケターが注目すべき(AIの動向以外の) マーケティングトレンド は?
消費者の要望に耳を傾け、応えること
今年は、インフルエンサーマーケティング(2024年のトレンドのひとつとなることは間違いない)への予算強化やグループチャットの創設など、コミュニティの一員となる方法を模索することが必要となる。さらに、自社のブランドに関する口コミがネットで拡散されたら、いち早くこれに対応するプロセスを整備することも、マーケターにとって死活的に重要な課題となるだろう。 ビジネスエージェンシーのゲイル(Gale)でマーケティング戦略を統括するマット・ラング氏はこう話す。「文化が動く速さに合わせて、ブランドの対応も加速している。TikTokをはじめ、ソーシャルメディアの世界はかつてないほどの速さで動いている。ブランドも、いま起きていること、間接的ではあれ自社のブランドが絡むことをすばやく察知して、しばしば有機的なアテンションの獲得にもつながる迅速かつ個別の対応を講じることに長けてきた。これを実現できるブランドにとっては賢明な基本戦略だ。2024年には、すばやい行動を目標に掲げるブランドがさらに増えるだろう」。 一方で、速さはマーケターが対応しはじめたひとつの要素にすぎない。2023年には、「自社のブランドに関する口コミに耳を傾け、適切な対処に時間をかけること」が重視されるようになった。この傾向は2024年も続くだろう。 「Z世代やミレニアム世代が従来の戦略や指針を上書きしている。彼らの指針のまっすぐ先にあるのはTikTokだ」と、レイザーフィッシュ(Razorfish)でソーシャルコンテンツとエンゲージメント戦略を担当するグループバイスプレジデントのアリエル・カーター氏は話す。 「かつては見過ごされがちだったこのプラットフォームが有機的なエンゲージメントのマーケットプレイスとして活況を呈し、ブランドがようやく本来の姿、自分たちらしさをアピールできる場となっている。そこではありもしないペルソナを作り、こじつけのトレンドを追うことはできない。2024年は、型にはまらず、よく聞き、理解し、共通の価値観のもとにコミュニティを形成するブランドのものとなる」。