ロシアが反発する米供与のミサイル「ATACMS」 最大射程は300キロ
ロシア国防省は19日、ウクライナ軍が同日未明に米国供与の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」でロシア領を攻撃したと発表した。ロシアがこれまで欧米に対し、ウクライナに使用を許可しないよう繰り返し求めてきたATACMSとはどんなミサイルなのか。 【図解】地対地ミサイル「ATACMS」 どんなミサイル? ATACMSは、地上発射型の弾道ミサイルで、最大射程約300キロ。AP通信によると、1990年代半ばに実用化され、特長として射程が長いだけでなく、超音速で飛行するため迎撃がより困難になるという。発射場所によっては、レーダーシステムによる探知が難しいとされる。ロシア領内の深部への攻撃が可能となり、「戦争に大きな変化をもたらす可能性がある」とも言われている。 一方、戦争研究所(ISW)の8月の報告書によると、ロシア領内のATACMSの射程内にあるロシア軍関連の施設は245カ所程度ある。米ワシントン・ポストは「ロシアは重要な兵器の大半を射程外に移動させた」との米政府高官の見方を伝えており、戦況に決定的な影響を与えない可能性もあるとの指摘もある。【松本紫帆】