【独自】「知らんふりは嫌」Z世代が“不正の実態”を告発 漁協の副組合長が委託金の一部を着服、除名処分【高知発】
悪しき慣習を断つ 若い職員が告発
職員の松田叶夢さん(22)は漁協に入って1年目の2023年10月、ウラ帳簿の存在を知り不正に気づいた。 安芸漁協・松田叶夢さん: 見積書とウラ帳簿を見せてもらって、これおかしいと気づいた ーー不正を知ったときはどういう気持ち? 安芸漁協・松田叶夢さん: 許せない。(委託金も)税金から出ているので、個人のものにしてしまうのは許されないこと。怒りが強かった 漁協に根付く悪しき慣習を断ち切りたいと、松田さんは不正を内部告発した。 安芸漁協・松田叶夢さん: ちゃんときれいに仕事をして、当たり前のことなので。当たり前じゃないことが起こっているのをそのまま知らんふりしているのは嫌なので、公にしました 松田さんの告発を受け、上司も警察に相談することを決めた。 安芸漁協・松田さんの上司: 今まで声を上げられなかったのを反省する。自分たちの罪になってでも不正を明らかにしたいという若い職員の思いもあり
上司らも「このままではいけない」
1月30日午前7時、上司と事務員が、警察に証拠として持っていくウラ帳簿などの書類を準備していた。 安芸漁協・事務員: 怖い気持ちはある。でも、このままではいけないという思いの方が強かったので 午前8時、松田さんの上司が警察に「横領事案で、もうちょっとしてからそこへ行きたいがいいですかね?」と電話した。 漁協に在職して35年という上司。副組合長による委託金の余りの着服は前の副組合長の頃から20年以上続いてきたと話す。 ーーどうしてみんな副組合長に不正をやめろと言えなかった? 安芸漁協・松田さんの上司: 今回の件は、ずーっと続いてきた慣例的なことがあったのと、報復というか、何をされるか分からないので言えなかった。勇気がなかった そして松田さんの上司は、「不正を正すという意味で頑張りたい」と語った。 安芸漁協・松田叶夢さん: やっぱり悪いものは悪い。裁かれるべきは裁かれる。なので負けない。しっかり正していきたい 午前9時、職員3人は安芸警察署に被害を相談。県警は、業務上横領の疑いで副組合長から任意での事情聴取を始め捜査している。