【独自】岡山・児島湾土地改良区職員が運営費1600万円着服 会計事務担当、全額を弁済
岡山市の児島湾締切堤防の管理などを担う児島湾土地改良区(同市南区築港緑町)で、会計事務を担当していた40代の男性職員が改良区の運営費約1600万円を着服していたことが21日、改良区への取材で分かった。改良区は職員が全額を弁済したことから刑事告訴を見送る一方、チェック体制が不十分だったとして対策を急ぐ方針。 改良区によると、職員は2012年から会計を担当。23年以降、数十回にわたって改良区の預金口座から現金約90万~10万円を引き出していた。人事異動で会計担当が交代した後の今年7月下旬、残金の不足が発覚した。職員は改良区の聞き取りに「飲食やゲーム課金などの遊興費に使った」と説明。既に退職届を提出しているという。 改良区は会計事務をこの職員に任せきりの状態になっていたといい、「不正を防げなかったことを厳正に受け止める。県などの指導を受けながら再発防止に取り組む」としている。 児島湾土地改良区は岡山県知事の認可で1952年に設立された公法人で、組合員は現在、岡山、倉敷、玉野市の約3800人。管轄する県農林水産部は「聞き取りなどで事実確認をした上で、改善措置といった対応を検討する」とした。