襲撃10年で特別号 「神も笑い飛ばす」と宣言 仏風刺紙
【パリAFP時事】フランスの風刺週刊紙シャルリエブドは6日、同紙のパリ本社がイスラム過激派に襲撃されたテロ事件から10年となるのに合わせ、特別号を発行すると明らかにした。 表紙で「つぶされないぞ!」とうたい、神や宗教であっても風刺を続けると宣言した。 2015年1月7日の事件では、同紙に掲載されたイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画に反発したアルジェリア系の男2人が、本社を襲撃して自動小銃を乱射。風刺画家や編集者を含む12人を殺害した。 特別号は論説で「笑いたいのなら、それは生きたいということ。笑い、皮肉、風刺は楽観主義の現れだ」と主張。神や宗教指導者の風刺画コンテストを通過した40作品を4ページにわたり掲載する。 その中には「ムハンマドを描く人を描く人を描く人の絵なら、大丈夫か?」という説明書きを添え、ひげを蓄えた人物を描く画家の絵を描く画家を描く画家の風刺画も。1匹の犬から分かれた三つの頭が、それぞれキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の指導者になっている風刺画もある。 また、過去に紙面に載った「原理主義者に圧倒されるムハンマド」と題する風刺画の縮小版も。目を押さえ「間抜けに好かれるのも大変だ」と嘆くムハンマドを描いた同作品は当時、最も議論を呼び、制作した風刺画家は襲撃事件で命を落とした。 特別号は襲撃事件から10年に当たる7日に発売予定。同日には事件犠牲者の追悼式典が催され、マクロン大統領らが参列する。