シャープ堺工場9月までに停止へ 不振のテレビ液晶、国内生産終了
シャープが、大型液晶パネルを製造する完全子会社の堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)について、9月末までに生産を停止する意向を取引先に伝えたことが14日、関係者への取材で分かった。液晶ディスプレー事業の不振により、通期の純損益が2年連続で赤字となる見通し。液晶事業を縮小し、財務基盤の改善を急ぐ。停止すると、国内でテレビ向け液晶パネルを生産する工場がなくなる見込み。 【写真】会見で発言するシャープ・沖津雅浩副社長 23年
SDPに関しては、取引銀行などが生産の全停止を求めたもようだが、パネルを供給する取引先への影響が大きいため、6月から一部製品の生産を止め、段階的に停止していく方針。 SDPは2023年3月期に2千億円超の損失を出し、連結純損益が6年ぶりの赤字に転落する最大の要因となった。これまでSDPの売却先を探してきたが難航し、生産停止の方向で取引先と調整している。 液晶事業では、SDPのほか、車載やタブレット向けの中小型液晶パネルを製造する白山など3工場がある。3拠点の事業改善策も、親会社の台湾・鴻海精密工業と検討を進めている。