MS、メタ、アマゾンなどの巨額投資を投資家が不安視
米マイクロソフト、米メタ、米アマゾン・ドット・コムなど、米テクノロジー大手は、需要の増大に対応するため、AI(人工知能)データセンターへの投資を拡大している。しかし、一部の投資家はそうした数百億ドル(数兆円)規模の投資を、いつどのように回収できるのかと、不安視している。 ■ MSの四半期投資額、5年前の年間金額上回る 英ロイター通信によると、巨額の設備投資がこれらの企業の高い利益率を脅かし、収益の圧迫が多くの投資家を不安にさせる可能性がある。 英調査会社グローバルデータのアナリスト、ベアトリス・ヴァレ氏は、「AI技術の運用には高いコストがかかる。キャパシティー(計算処理能力)を確保するのにも高額な費用がかかる」と指摘する。 マイクロソフトは先の決算発表でAI事業の中核を担うクラウド基盤「Azure(アジュール)」について、2024年10~12月期は成長率がやや鈍化するとの見通しを明らかにした。 同社のエイミー・フッドCFO(最高財務責任者)は成長鈍化の要因として、AI需要への対応が追いついていないことを挙げ、「需要に応えるために、今後クラウドコンピューティングのキャパシティーをさらに増強する必要がある」と説明した。 同社はこのとき、24年7~9月期の総設備投資額が前年同期から8割増え、200億ドル(約3兆円)に達したと明らかにした。24年10~12月期もAIへの支出が増加すると見込む。 しかし、米投資銀行DAダビッドソンのリサーチ部門責任者であるギル・ルリア氏は、「投資家が見落としているのは、マイクロソフトが今年のような過剰投資を行うたびに、向こう6年間の利益率が1パーセントポイント押し下げられるということだ」と指摘する。 データ・分析の米ビジブル・アルファによると、現在のマイクロソフトの四半期当たり設備投資額は、5年前の年間投資額を上回っている。メタの四半期設備投資額は、17年以前の年間投資額とほぼ同じである。